拉致から47年、政府は「命がけで動いて」 88歳になった母の叫び めぐみへの手紙 横田早紀江
「拉致事件は親世代で必ず決着する」。そう誓ったのに、老いた親世代は退き、家族会の活動は子供世代が担うようになってしまいました。この異常な事態を、直視していただきたいのです。
家族会は「全拉致被害者の即時一括帰国」を訴えています。
日本と北朝鮮それぞれに「連絡事務所」を置く提言がありますが、意味があるのでしょうか。北朝鮮はそもそも、拉致被害者を含め、国民全体を厳格に管理し把握しているそうです。
老いた私たちに長く待てる猶予はありません。北朝鮮が被害者を家族のもとに即刻帰せば、拉致問題は前に進むのです。
米国ではトランプ前大統領が再び大統領に就任することになりました。平成29年と令和元年に来日した際は、私たちと面会し、解決への尽力を約束してくださいました。
お父さんが天に召されたとき、トランプ氏からお悔やみが届きました。「めぐみさんを必ずご自宅に連れて帰るという重要な任務を続ける」。力強い思いを貫き、被害者帰国の後押しをいただけることを祈っています。
国民の皆さま。日本は国難ともいわれる厳しい時代を迎えています。厳しい状況でも、北朝鮮で救いを待ち続ける子供たちに思いをはせ、拉致解決を心に描き、声を上げていただきたいのです。
国民世論の後押しがなければ、拉致問題は進展しません。政治家、官僚の方々は「国家の恥」をそそぐ気迫で、解決に取り組んでください。
めぐみちゃん。お母さんは「弱い心」にさいなまれることもありますが、何とか踏みとどまっています。どうか、体調にだけは気を付けて。再会の日は必ず来るから、それを信じて、お互いに元気で頑張ろうね。