米ゴルフメディアが2024年の“不可解裁定”に畑岡奈紗の一件を選出 プロとしてお手本となる事後の潔い態度
ルールの裁定は納得がいかなくても受け入れるしかない
この処置について、冒頭の紹介した「Golf.com」の記事は、最後に「教訓」として「ゴルフのルールは難しいので、コースでは常に細部までブラッシュアップ(研さん)し、留意すべきです。それでもこのように奇妙な事態が起こります。その場合、あなたが本当にできることは、ゲームのために(そして、あなたの誠実さのために)、罰を受け入れることだけです」と結んでいます。 つまり、トーナメントにおけるルールの裁定は、納得がいかなくても、競技運営のため、そしてルールに対するあなたの誠実さを示すために受け入れなさい、というのです。 実際、この翌週畑岡がインスタグラムに発表した表明文では、冒頭で「私のプレーを楽しみにしていたファンには心から陳謝したい」としたあと、「ルールオフィシャルの裁定に異を唱えるつもりはまったくありません。次のトーナメントに臨むためにも真摯に受け止めたいと思います」と誠実に述べていました。 そのうえで、彼女のようなケースが再発しないようとの思いから、ツアーに対する提言・提案が述べられていました。そして、以降はこの件に関して一切のコメントを発していません。畑岡奈紗のこうした潔い姿勢は、来季、米女子ツアーで10人以上の一大勢力となる日本選手には良きお手本になりそうです。
畑岡 奈紗(はたおか・なさ)
1999年年1月13日生まれ、茨城県出身。2016年の「日本女子オープン」で国内メジャー史上初のアマチュア優勝達成。その後、プロに転向して翌17年から米ツアーに参戦。同ツアーでは18年に初勝利を挙げ、22年「DIOインプラントLAオープン」で米ツアー通算6勝目。日本ツアーでも17年に「日本女子オープン」連覇、19年に「日本女子プロゴルフ選手権」「日本女子オープン」の国内メジャー2勝を達成するなど、5勝を挙げている。アビームコンサルティング所属。
小関洋一