【アメフト】早大2年ぶり甲子園ボウルに届かず…432ヤード獲得も看板守備陣が立命大に力負け
<アメリカンフットボール全日本大学選手権:立命大52-27早大>◇1日◇準決勝◇大阪・ヤンマースタジアム長居 大学日本一を決める甲子園ボウルで悲願の初優勝を目指した早稲田大(早大=関東2位)の挑戦が、全国4強で幕を閉じた。立命館大(立命大=関西1位)に完敗。2年ぶり8度目の聖地には届かなかった。 前半は、看板の守備陣で歯が立たなかった。相手の5シリーズ全てでタッチダウン(TD)を献上。山嵜大央(4年=大産大付)と蓑部雄望(2年=佼成学園)の両RBを止められず、ランだけで前半260ヤードを奪われた。第2クオーター(Q)だけで28失点。終了間際にはQB竹田剛(3年=大産大付)にもTDランを許した。 関東のリーグ序盤は苦しみながら、シーズンを通して精度を上げてきた攻撃陣は、エースRB安藤慶太郎(3年=早大学院)やWR小鮒晴(4年=鎌倉)のロングゲインで反撃。QB八木義仁(4年=早大学院)のパスもさえた。3-14の第2Q残り13分41秒、WR角井春樹(4年=早大学院)に70ヤードを通して4点差に詰め寄った。 主将の小林亮生(4年=早大本庄)や飯田星河(4年=早大学院)が最終学年を迎えたオフェンスライン(OL)も、試合を通してパスプロテクションが、ほぼ完璧。その後も長いパスが決まるなど計193ヤードを稼いだが、FG2本に抑えられた。平田裕雅(4年=早稲田実)の48ヤードFGも、距離は十分だったが右ポストに嫌われた。 後半も流れを変えられない。最初のシリーズでQB八木がインターセプトを喫し、差を詰められない。守備はアジャストし始めて、次のディフェンスで初めてFGにとどめたものの、第3Q終盤に失点。中、中の連続ランから立命大QB竹田にハンドオフを抜かれ、がら空きの左エンドゾーンへ走り込まれた。 13-45と大量32点差をつけられた最終、第4Q。QB八木が1本を返す。WRのエース入江優佑(4年=関西大倉)が、相手DBのマークを左手1本で外しながらダイビングキャッチした。24ヤードTDパスをしっかり抱え、エンドゾーン右隅に体を預けた。 さらにはRB安藤が、縦一直線に破る。OLがど真ん中に道をこじ開け、独走60ヤードTDラン。残り9分53秒で27-45とした。しかし、もう1TDを与えた後の攻撃で2本目のインターを食らい、万事休した。ラスト28秒からのパスもインターセプトされたが、獲得ヤードは432(ラン125、パス307)と成長は示した。 これで立命大には公式戦4戦全敗。サヨナラの52ヤードFGを外して1点差負け(27-28)した15年の甲子園ボウル以来9年ぶりの再戦も、初勝利はならなかった。関東大学リーグで圧倒した自慢のディフェンスが、最終的に516ヤード(ラン382、パス134)を許す力負け。それでも全て出し切った。 QB八木「自分の持ってる力、全て出し切れたと思います。ただ、甲子園ボウル、自分がQBとして1回は出たかったなと…。悔しい思いでいっぱいです。点の取り合いになるだろうなと思っていたんですけど、まさか、うちの信頼していたディフェンスが52点も取られるほど、相手のオフェンスが強いとは思っていなかったので…。早稲田で甲子園に勝って日本一になることが、ずっと夢で、かなわなかったことが何より悔しいです。早稲田、強かったと言わせたかったです」 2年ぶり8度目の甲子園には届かなかったが、大会方式が変わった初年度に存在感を示した。準々決勝では、リーグ戦で立命大に勝っている関西大(関大=関西3位)を31-28で破るなど「西高東低」の前評判下で意地は見せ、部員178人の2024年シーズンが終幕した。【木下淳】 ◆早大米式蹴球(アメリカンフットボール)部 1934年(昭9)年に立教大、明治大とともに日本最古となる創部。1947年(昭22)に始まった甲子園ボウルとは長く無縁。96年には2部落ちするなど苦しんだが、創部69年目の02年に初出場。立命大に13-51だった。以来7度の出場も立命館大に3度、関学大に4度、敗戦。いまだ戦前からの米式蹴球部を正式名称とし、愛称「ビッグベアーズ」は早大創設者の大隈重信と大熊をかけて命名された。専用グラウンドは西東京市東伏見。高岡勝監督。