貯金神話は崩壊する…「人生100年時代」を「投資で」乗り切るために買っておきたい「2つの銘柄」
新興国、フロンティアに対する考え方
ここまで米国経済の強さや分散投資の重要性について解説してきましたが、分散投資をする際に参考になる投資の考え方に「コア・サテライト戦略」があります。 これはポートフォリオのコア(守り)とサテライト(攻め)を組み入れて構成することで、リスクを分散する投資手法です。割合の目安としてはコア70ー80%、サテライト20ー30%ぐらいが一般的な目安となるでしょう。 例えばポートフォリオのコア部分にオールカントリー、S&P500のどちらかを組み入れたとします。この場合、サテライトに個別株や新興国、フロンティアと呼ばれる国々に投資をしても面白いでしょう。 なぜなら、直近のIMFの世界経済見通しが示しているように、新興国と発展途上国の経済成長は2024年+4.2%、2025年+4.2%とインドには及ばないものの、高い経済成長を続けています。 また分散投資の観点から、一国への投資ではなく、経済の見通しが明るい国々にまとめて投資をした方がリスクヘッジにもつながります。 そのためETFや投資信託を利用してまとめて投資することも検討の余地があるでしょう。 なかでも筆者が注目しているのが下記のETFと投資信託です。 (1)【FM / iシェアーズフロンティア・セレクトEM ETF】 フロンティアに該当する国は新興国よりも経済マーケットが小さい国です。 FMは以下の構成国比率(2023年9月末時点)で形成されており、このETF1本でフロンティアの国々にまとめて投資することが可能です。 ・ベトナム 構成比率28.29% ・ルーマニア 構成比率10.61% ・モロッコ 構成比率10.15% ・アイスランド 構成比率8.58% ・ルーマニア 構成比率8.42% その他24カ国(バングラディッシュ、スリランカ、クロアチア、エストニア、ヨルダン、コートジボワール、ナイジェリアなど) 執筆時点の分配金利回り3.34%、経費率0.80%です。 経費率は高いものの、S&P500をアウトパフォームする確率が高いことを考えた場合、検討の余地があるといえるでしょう。 (2)【eMAXIS Slim 新興国株式インデックス】 新興国へまとめて投資する1本として紹介したい投資信託です。 構成国比率(2024年2月末時点)としてはインド17%、台湾15.7%、新興国15.3%、ケイマン諸島13.8%、韓国12.0%、中国10.00%、ブラジル5.3%、サウジアラビア4.2%、メキシコ2.5%、その他4.2%です。 執筆時点の管理費用(信託報酬含む)0.1518%です。 経費率という観点から考えれば魅力的な1本と言えるでしょう。 とはいえ、今後の経済成長を考えた場合、より高成長が期待されるのはフロンティアであることは念頭に置いておくべきですが、特にS&P500をコアにした場合のサテライトとして新興国投資を組み入れることも妙味を感じます。