はやぶさ2が地球に帰還へ JAXA会見(全文3完)ありがとう、また会う日まで
カプセルを地球に放出後、はやぶさ2はどこへ?
日刊工業新聞:日刊工業新聞の冨井と申します。2020年に地球に戻ってきてからの話なんですけれども、カプセルを地球に放出したあとに、「はやぶさ2」は別の場所に行くっていう話が確か検討されていたような気がするんですけど、その計画が今どうなってるのか、もし行くとしたらどんなとこに行くのか、今の段階で教えてください。 津田:まずおっしゃるとおりで、今回「はやぶさ1」が期せずしてそうなってしまったのとは違って、計画としてはカプセルだけがリエントリーして、探査機自身は地球の重力から逃げるという最後のマヌーバーをやって、その結果、深宇宙空間にまた放り出されるというか、飛び出すということになります。 そこから先放っておいても飛行は続くんですけれども、何か目的地があってそこに向かって飛行するという計画は今のところございません。ただ、カプセルがないという状態なだけで探査機自身は生き残る可能性があるので。すいません。そうであればどういうことができるかというのは、今プロジェクトチームでも検討を始めたところです。具体的な計画とか、どこに行けそうだとかそういう話は今のところないんですけれども、せっかく宇宙に機能するアセットが残りますので、これをどうやったら最大限生かせるかっていうのは、プロジェクトチームで考えていきたいと思っています。 日刊工業新聞:ありがとうございます。
お別れ観測ではどういった観測を考えているのか
秋山:フリーランスの【秋山 00:50:58】と申します。先ほどお別れ観測という言葉があって非常にいい言葉だなと思ったんですけれども、どういった観測を考えてらっしゃるのかということと、それからお別れ観測分のほかに、まだ、例えばデータレコーダー等に、これから下ろすデータとかがあって、しかも何かすごいもので、皆さん待ってらっしゃるとかそういうものがもしあれば教えていただけないでしょうか。 津田:まずお別れ観測自身は基本的にはONC-Tという望遠のカメラを使います。20キロメートルからおおよそ60キロメートルぐらいになるまでずっと遠ざかりゆく小惑星をある頻度で撮って、それを、基本的にはこれは、あまり科学的というよりは、皆さんと一緒にお別れのタイミングを共有しようという目的ですので、撮ったものをすぐウェブに上げて皆さんに公開していくという形になります。 もう1個が、データレコーダーに残っているものですが、基本的にはリュウグウの上空で撮った、あるいは近傍フェーズで取得したデータというのは重要なものはほぼ下ろし終えてます。ただ幾つか細かい部分は残っていますので、それぞれの機器に残っていますので、これは巡航フェーズ中に必要なところを選んで下ろすと、必要であればダウンロードするという形を取るかもしれません。ただ今もう取り残して取らなきゃというものが残っているわけではありません。 司会:あと2件にさせていただきます。一番前の方にお2方お願いします。