罹患者数1位『大腸がん』、専門医が最新事情を解説「肥満や運動不足のほか、加工肉や赤身の肉などがリスクを上げている」
再発率はステージで異なり、ステージ1~3全体として20%弱だが、術後の補助化学療法も進歩し、再発予防に寄与できているという。 「再発出現率は5年以内が97.3%で、5年を超えて出現する割合は0.43%です。つまり、術後、5年間の緊密な経過観察が重要で、再発時には、適切な治療を受けることが肝要となります。ただ、できれば7年から10年、見ていただければさらに安全か、と思われます。転移した場合の予後は、状況によって大きく変わりますが、他のがんに比べると、比較的“向き合いやすい”と感じています」 大腸がんは、進行すると『便がでにくい』『血便がでる』などの症状がでるが、無症状でも進行がんになることも少なくないという。高橋医師がかつて、無症状の患者74例を調査したところ、61%(45例)が進行がんだったと明かす。 さらに、この時の無症状患者74例のうち、大腸がん発見の動機となったのは、便の潜血反応による検診が78%、バリウム・内視鏡が22%とし、定期的な検診による早期発見と早期治療を呼び掛けた。 ※がん情報サービス(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター) がん種別統計情報 【高橋慶一医師】 グレースホームケアクリニック伊東 院長、元がん・感染症センター都立駒込病院外科部長。2005年より大腸がん治療ガイドライン作成委員会委員を務め、2013年からは大腸がん肝転移データベース合同委員会委員長を歴任。多くの大腸がんの患者と接し、治療を行っている。