「オミセ シメロ」“自粛警察”が休業中の駄菓子屋も標的に
コロナ禍の問題の一つとしてこのところ浮上してきたのが“自粛警察”“自粛ポリス”などといわれる、自粛要請に応じない人や店舗を攻撃する動きだ。根底には「自粛要請に応じない人に警告する」という正義感に根ざした大義名分があるのだろうが、過度と思われる行動や攻撃自体が目的となっているのでは?といったケースも散見される。千葉県八千代市にある駄菓子屋「まぼろし堂」の場合は、3月下旬から休業していたにも関わらず“自粛警察”の標的となってしまったという。オンラインで話を聞いた。
駄菓子屋は“子どもの社交場”いち早くコロナ対策とるも…
同店は店主の村山保子さん(74)と長男の成田英輝さん(45)が東日本大震災をきっかけに、「人間いつ命がなくなるかわからない。親子で地元に少しでも役立つことができたら」(成田さん)と約7年前に開店。「子どもが子どものまま主役になれる駄菓子屋は大切な勉強の場だったのかもしれない」(村山さん)との思いから子どもたちと接し、いまでは地元の子どもたちの”社交場”となっているという。
そんなまぼろし堂も、今年に入ってコロナ禍が深刻化してくるにつれて影響から逃れることはできなくなった。最初はいち早くレジに透明なアクリル板を貼ったり、消毒液を常備したり、マスクを配ったりと対処していたが、とうとう3月下旬には休業に入った。ところがお休みして約1ヵ月後の4月下旬、店の入り口付近に白地に赤文字で「コドモアツメルナ オミセシメロ マスクノムダ」と定規をあてて書かれたような貼り紙が貼られているのを発見。 「あの赤い字を見たときは血の気が引きました。怖いです。ニュースを見ると東京のほうではお店のガラスが割られたり、被害が大きいみたいですね。エスカレートしなければいいのですが」(村山さん) 「駄菓子屋なので大事にはしたくなかったのですが、近所の方々が通報してくださったらしく警察の方も来られてパトロールを強化していただきました。実は3月上旬の『報道ステーション』で、ウチが子どもたちにマスクを配っている様子が放送されたんです。これは憶測ですが、貼り紙に『マスクノムダ』と書いてあるので、(“自粛警察”が)それを見てきたのかなと」(成田さん)