老後に猫を飼いたい、でも私が死んだら… 「もしも」に備えた新支援「ペットヘルパー」 ねこから目線。の現場から
ある日、知らないアドレスからメールが届いていました。開いてみると、「〇〇ケアセンターの山田と申します。この度、担当している方が85歳で肺がんで昨日亡くなりました。つきましては、2匹くらいの飼い猫の引き取りをお願いできますでしょうか。身寄りがなく家は無人になっているので3日以内くらいには引き取りにきていただけると助かるのですが」という内容でした。 飼い主さんについては年齢や死因、死亡日まで丁寧に書いてくださっていますが、肝心の猫さんの情報が「2匹〝くらい〟」のみ。先日も6匹くらいの猫の行き場がないと聞いて対応に入ったおうちから黒猫25匹が出てきて、気を失いそうになったばかりでした。 実は、動物保護団体に寄せられる第三者からの引き取り依頼連絡の大半はこのように、人の情報はたくさんあるものの、肝心の猫さんの情報が少なすぎます。そのため、自分たちで対応できるかどうか、猶予期間内に検討することすら困難なことが多くあります。 高齢者の生活に潤いを与え、健康寿命を延ばしてくれる存在としてペットが再注目される中で、飼い主の死亡や施設入所といった理由で保健所に引き取られるペットが増加しています。向き合うべき社会的課題になりつつあります。 苦肉の策として、保護猫譲渡の際に年齢制限を設ける保護団体も多くあります。しかし、成猫の保護猫を譲渡してもらえない高齢者がペットショップで子猫を買う流れになっては、本末転倒です。 もっと猫さんの情報と時間的猶予があれば、失われずに済む命が増えるはず。自分たちにもこの問題に何かできることはないだろうか-。そう考えて昨年から、「飼い続ける支援(ペットヘルパーサービス)」という取り組みを始めました。 ペットシッターという言葉は聞いたことがある方も多いと思います。飼い主さんが不在の間、ご自宅に伺って代わりに猫さんのお世話をするお仕事です。対して、ねこから目線。のペットヘルパーは、飼い主さんの在宅時に訪問し、飼い主さんとコミュニケーションを取りながら猫さんのお世話のお手伝いをします。 例えば、こんな感じです。