「失踪中で、離婚さえできない」パチスロ依存で借金三昧の夫が行方不明。工場勤務で食いつなぎながら、サロン主宰の「夢を叶えた原動力」とは
昼はスクール夜は工場バイト、そして2つの事件
忙しい毎日の中で2つの事件が起こります。 ひとつめは、同じスクールで学んでいた知人が不動産の詐欺事件で逮捕されたのです。スクールの中で唯一おしゃべりをしたり、メールのやり取りをしたりしていたカオリさんは警察に事情聴取に呼ばれます。検察側からは裁判の証人尋問にも出る必要があると言われます。 海外旅行が好きだったカオリさんはお金を持っていると。その人に狙われていたのではないかと何度も警察から話を聞かれますが、けっきょく真相は分かりませんでした。 そしてもう一つの事件。 そろそろ離婚の話を進めようと思って電話をしたところ、夫が再び失踪したことが分かりました。夫の実家も連絡がつかないと大騒ぎ。パチスロ中毒になっていた夫は会社にも行かなくなり、休職していたことも聞かされます。 その間カオリさんは工場バイトを続けることに限界を感じ、自宅で細々とお菓子教室を再開して生計を立てていました。 「早く出てきて離婚に応じろ!」そう思いながら夫の実家にときどき電話をするも、帰ってきたという返事は来ず、2年間、音信不通の日々が続きました。 とうとう夫の母親から帰ってきたと電話が来ます。やっと見つかった夫と離婚の話し合い。「会ったとき、人相が変わっていて最初気づかなかったの。10年も一緒に暮らしていたのに」とカオリさんは語ります。 夫との離婚話自体はスムーズに進んだものの、慰謝料で揉めます。取るもの取らなきゃ!とカオリさんは思い、会社に積み立てていた金額の半分をもらいました。 本記事では、夫のギャンブル中毒と借金に苦しめらながらも、ようやく離婚にこぎつけられたカオリさんのこれまでをお届けしました。 ▶続きの【後編】では、お菓子教室で生計をたてたいカオリさん。離婚後、夫とのトラブルとはまた違う苦難がいくつも押し寄せます
取材・文/今井佐和子