5年生存率約50%の「卵巣がん」、英国でワクチンの開発がスタート
ワクチン作成の計画
今回のプロジェクトでは、卵巣がんの患者から提供された病巣のサンプルを用いて、異常なタンパク質の発生につながる、共通した遺伝子変異を探す(これらの異常なタンパク質は、免疫系によって認識されるものだ)。研究者たちはその後、この情報を用いて、免疫系に対して、これらの異常タンパク質を検知するように促すワクチンを作成する計画だ。 「免疫系に対して、がんの最初期の兆候を検知するよう教え込むのは非常に困難な挑戦だ。だが、我々の手には非常に高度なツールがある。免疫系が卵巣がんを認識する過程に関する、重要な知見を手に入れることができるはずだ」と、アフメド教授は述べる。 開発に成功すれば、OvarianVaxが、接種した人の免疫系をトレーニングし、卵巣の細胞に異常が発生すると、問題が起きていることを本人が察知する前に、その細胞を攻撃するようになる。 「OvarianVaxは、がん予防のソリューションを提供することができる。まずは発症リスクの高い女性が対象となるが、治験で効果が確かめられれば、さらに範囲を広げることになるだろう」とアフメド教授は語る。 このワクチンの開発が順調に進んだとしても、使用の承認を得るためには、複数段階の臨床試験を経る必要がある。そのため、実際に使えるようになるまでには今後数年はかかる見通しだ。
Victoria Forster