【特集】“結婚詐欺”か 男2人起訴 「借金返済のため」 女性から1億円以上をだまし取った罪 捜査関係者かたる実態“巧妙な演技”の裏に「自転車操業だった」
2024年10月、女性に結婚を約束して信用させ現金をだまし取ったとして逮捕された男2人。 その2人が被害女性の前で演じていたというのは、解体業の会社「社長」とその「秘書」だったといいます。 起訴状などによると、名古屋市に住む、いずれも無職の江尻舟一被告(51)と武田佑気被告(33)は、2024年3月から4月にかけて長久手市に住む女性(当時47)に結婚を約束して信用させ借入名目で現金をだまし取った罪に問われています。
起訴状などによると、マッチングアプリで知り合った被害女性の前に社長、秘書として現れた江尻被告と武田被告。 「会社名義の預金口座が凍結されている。大きな工事が期限よりも早く終わり、 下請け業者に支払う工事代金が必要」 2024年3月、会社が窮地に立たされて金が必要と女性に訴えた上、その2日後には…。 「周りが騒ぎ出して、できれば7日にどうにかならないかな? 無理なら8日まで何とか引き延ばしてみる」 金の借り入れを依頼。 これを信じた女性は、2回に分けて現金3650万円を用意して渡します。 しかし、江尻被告が会社を経営している実態はなく、うその話をもちかけ現金をだまし取った“結婚詐欺”とみられています。 この女性の被害総額は合わせて1億円とされていて、なぜ、2人の被告の話を信じてしまったのでしょうか。
■デートは“お姫様扱い”
「(江尻被告は)スーツをビシッと着てベンツに乗って、仕事ができる風には見えました」 こう話すのは、3年前、2人と出会い“結婚詐欺”の被害を受けたと訴える別の女性。(40代・愛知県在住) 出会ったきっかけは被害女性と同じマッチングアプリ。 「すぐに結婚したい」江尻被告は、出会ってすぐに結婚をほのめかしたといいます。 デート先はいつも夜景が見えるなどの高級レストラン。さらに…。 被害を訴える女性:「毎回花束のプレゼントや手土産がすごかったです」「子どもがいるので子どもへのプレゼントももらいました」「だまされていましたけどやさしくて何でもできる人思いのある人だった」 デートの際は、羽振りがよかったという江尻被告。