「トイレの奇麗さ」は要チェック、看板に隠された情報は? プロが教える「かかりつけ医」の見つけ方
看板に隠された情報
さて、病院を訪れる際に最初に目に入るのは、その病院の看板でしょう。この看板にも実にさまざまな情報が隠されています。 看板には複数の診療科が掲げられていると思いますが、最初に来るのは「内科」「外科」「整形外科」といった大まかな分類です。大前提として、かかりつけ医は「内科」や「総合内科」を掲げているところを選ぶのがいいでしょう。 多くの場合、この大まかな分類に続いて自分の専門科目を掲げます。つまり「内科、循環器内科……」なら、その先生の本当の専門は「循環器内科」。「整形外科、リウマチ科……」ならリウマチ科です。持病のある方は、この「専門科目」も参考になるでしょう。 中には四つも五つも診療科目を掲げている病院もあり「本当に診療できるの?」と疑問に思われることもあるかもしれません。ただ、医師は医学部ですべての病気を一通り勉強していますし、診療科によって免許が異なるということもありません。だから、例えば総合内科医の私が明日から産婦人科医になることも、スキルは別として制度上は可能です。かかりつけ医に求められているのは、患者の症状が「大病院に行く必要があるものかどうか」を判断すること。三つ目以降に挙げられている診療科目については、専門ではないでしょうが、少なくとも専門機関での治療が必要かどうかは判断ができるでしょう。
「専門医」「指導医」は「スペシャリストとしてのお墨付き」
それから、「医学博士」や「専門医」「指導医」など、医師の肩書を掲げている病院も多いと思います。 「専門医」とは、ざっくり言えば各診療科におけるスペシャリスト。さらに「指導医」は専門医を指導するいわば“親方”で、より高い知識とスキルを有しています。看板の診療科目は自由に掲げられますが、専門医や指導医は試験を受けて認定を受けなければ名乗ることはできません。いわば「スペシャリストとしてのお墨付き」があると考えれば分かりやすいでしょう。 一方「医学博士」はどうか。「博士」とある通り、彼らが高い学識を有しているのは間違いありません。ただ、専門医や指導医と違って、より学問色が強く、必ずしも臨床のスペシャリストというわけではありません。ある医学博士によれば、この肩書は「足の裏のご飯粒」。取らなくても困らないが、制度としてある以上は取らないと気持ちが悪い、というわけです。