【沢田康文の欧州競馬リポート】欧州最強マイラーのチャリン、マイルCSでラストラン
マイルチャンピオンシップに英国から参戦するチャリンはダークエンジェル産駒で牡4歳の芦毛馬。2歳時に4戦目で仏GⅡを制し、昨年もサセックスS3着などGⅠで善戦を重ね、4歳の今年、本格化した。 脚質は差しでマイルGⅠをすでに3勝し、今年の欧州競馬のベストマイラーと誰しもが認める存在。調教駆けするタイプではなく、パドック、ゲート裏でもおとなしいが、実戦を迎えると一変するタイプ。「レースに向けて自分で力をセーブしているようで、すごく頭のいい馬。GⅠ級のエンジンと強いメンタル、馬体を兼ね備えています」とR・ヴェリアン調教師は愛馬を評価する。 カザフスタン出身の馬主、N・ビザコフ氏がフランスで所有する牧場で来春から種牡馬入りすることが決定しており、今回がラストラン。陣営は日本競馬をよく知る名手、R・ムーア騎手に騎乗を依頼した。 欧州のこのクラスの馬はブリーダーズCマイルに向かうのが主流だが、前走からの間隔や褒賞金、日本で勝った際の種牡馬価値などが勘案されて来日が実現した。外国馬の参戦は実に13年ぶりで、最高成績はフランスのサプレザが2009年、11年に2度記録した3着。歴史的快挙を成し遂げるか、注目したい。(在仏競馬記者)