人の集まる空間を大切にした 母屋の雰囲気を生かしたガレージ|旧車の棲むガレージ
母屋を建てる時にガレージを組み込む予定だったが、それを断念。7年後、確保してあった土地に、改めてコンセプトを考え直したガレージを建てることになった。たくさんの人が集い、くつろげる和風の空間を実現したのだ。 【画像11枚】「人が好きだから、集まれる場所が欲しかったんです」というオーナーが実現させたガレージ 【人の集まる空間を大切にした 母屋の雰囲気を生かしたガレージ】 千葉県佐原市。今では市町村合併でその名を香取市と変えてしまったが、佐原は江戸時代に利根川の水運で栄えた町だった。勝負の神様として知られる香取神宮の門前町として、古くから人々が集まるところ。今なお、市内中心部にある川沿いの古い町並みを当時のままに保存、水郷観光の拠点として、週末には多くの人々が訪れている。 佐原で生まれ育ったオーナーは、地元への思い入れが人一倍強い。そのオーナーが現在生活している母屋を建てたのは、今から14年ほど前のこと。地元の大工、建具屋、材木屋さんたちに協力してもらい、当初は母屋と一体となったガレージハウスを建てたいと考えていた。だが結果として、ガレージハウスは断念してしまった。 「居間からガレージに止めてあるクルマが眺められる、そんな家を頭の中で思い描いて、実際に自分で部屋の配置図まで書きました。ですが、ひとつ屋根の下にガレージと母屋を建てるのは諦めました」とオーナー。
排ガスの影響を考えて建てられたガレージ
その理由は、自分が好きな旧車を置いた場合、エンジンをかけた時に母屋へ排ガスが流れ込むのを避けたかったからだ。ガレージをガラス戸などで仕切り、排ガス流入の対策を講ずる方法も当然考えられるが、それでは愛車の傍らで一緒に暮らすという目的が実現できない。とりあえずガレージとして使う予定だった土地はそのまま空けておき、母屋だけを完成させた。 古いクルマやバイクを集める趣味を持つ人の場合、時がたつほどに数が増えていくのはよく聞く話。その都度、ユニットタイプで大きなシャッターを持つガレージを建て増ししてきたが、心の中では、母屋の脇に空けてある土地に、自分の思い描いた通りのガレージを建てたいと、ずっと思っていたそうだ。 そして7年前の春、ようやく準備が整い、7年ぶりにガレージの建築が動き出した。クルマを置くだけでなく、仲間たちが集うための空間も用意することにして、敷地の使い方も改めて考え直したという。 「お茶や食事を楽しみながら、みんなでおしゃべりできる場所。このガレージが気の置けない仲間たちが集まる場所になれば、私としてもうれしいです。今までこつこつと集めてきたグッズや雑誌などを置く棚も、重さに耐えられるしっかりしたものを作りました。私の趣味の部屋という感じですね」