【比較レビュー】包丁が切れると料理はうまくなるか…?《価格差約300倍》100均包丁と3万円包丁で切り比べてみた
あまり美しくない仕上がりです。 さすがに「本マグロ中トロ」のような切りづらい高級食材は、それなりの包丁で切る必要があるのでしょう。というか、三徳包丁でそれなりのレベルで「本マグロ中トロ」が切れる「高級三徳包丁」のほうが異常ともいえます。
トマトってこんなに気持ちよく切れるんだと驚愕
刺身でのテストを行ったので、包丁の試し切りのお約束ともいえるトマトも切ってみました。半分に切ったトマトを薄切りにしてみたのですが、それぞれの結果は以下のような印象です。 「高級三徳包丁」の場合、トマトの皮の部分で滑ることなく、滑らかに包丁がトマトに入っていき、皮、身、柔らかなタネの部分と硬さの異なる部分もほとんど同じ力で切り進むことができます。そして柔らかなタネの部分も含めてスパッと両断される印象。
切っているうちに「もしかしたら、もっと薄く切れるのでは?」と、ドンドン薄く切りたくなるのです。また、余計な力がまったくかからないので、トマト自体が潰れることもなく、しっかりと角の立った美しいスライスに仕上がります。 「100円万能包丁」の切れ味は、ひと言でいうなら「平凡」です。トマトの皮部分への包丁の入り方はやや抵抗があり、どうしてもやや力が入ってしまいます。そのため、半分切ったトマトを切っているうちにトマトに力がかかって、トマトが潰れて開いてしまうのです。
また、柔らかなタネの部分はスパッと切れたという感じではなく、やや潰れ気味になります。そのため、トマトスライス自体もやや潰れた感じに仕上がってしまいます。 切ったトマトスライスも食べ比べてみたのですが、ただ切っただけなので、スパッと美しく切れた「高級三徳包丁」で切ったもののほうが、気分的なものもあるかもしれませんが美味しく感じました。
「カボチャって切れるんだ」と感心することしきり
せっかくなので硬いものもと思い、カボチャも切ってみました。普段の包丁でも途中まで刺さった包丁を強い力で押して、たたき切っている印象なのですが……。 本来、刃物は押したり、引いたりするときに切れるものなのですが、カボチャを切っているときは硬くて、力づくでたたき割っている感じでした。しかし「高級三徳包丁」ではカボチャを押して切っていることがよくわかります。力づくでたたき割るのではなく、刃物の切れ味で切断する印象。無理な力がかかっていないので、カボチャを切るときにも逆に安全な印象すら受けました。