市場拡大で急成長 中国のスマホゲーム、その「パクリ」事情とは?
中国でスマートフォンが普及している。中国の調査会社「iiMedia」からは、今年の6月末には5億5600万人のスマートフォンユーザーがいるという調査結果が出ている。中国の都市部で地下鉄やバスの乗客を見まわすと、多くの若者がスマートフォンを使っていて、この数字はさもありなんと実感するところ。 これだけ普及すると、スマートフォンで、ゲームを利用したい人もかなりいる。CNNIC(中国インターネット情報センター)の調査結果によると、スマートフォン・携帯電話のゲームを遊ぶ人は2億1535万人で、OS別では、Androidが68.2%(=約1億4700万人)、iOSが23.2%(=約5000万人)、残りがフィーチャーフォンなどの「その他」となる。もうモバイルゲーム利用者のほとんどが、スマートフォンを使っているのだ。 これだけ大きな市場のパイがあるので、中国企業は一攫千金を狙い、様々なゲームをリリースしている。ユーザー登録すれば様々なゲームが遊べる、スマホ向けゲームプラットフォームを様々なベンダーが出している。ちなみにAndroidのアプリに関しては、中国ではGooglePlayが使えないため、中国有力ネット企業のアプリストアからダウンロードしなければならない。またiOS向けに関しては、中国はアップルの認可を受けていないソフトウェアを利用するために行われるJailBreakの利用率が世界一高い。中国ではスマートフォンの世界でも、世界共通のはずのGooglePlayやAppStore以外を利用する傾向が強い。
中国のゲームというと、「パクリゲーム」を想像する人も少なくない。有名なものでは、Wiiを、ハードウェアごと似せて、それでいてソフトがスーパーファミコン以前のクオリティの「威力棒Vii」ほか、マリオカートにそっくりな韓国のネットゲームをさらに模倣したゲームや、モンスターハンターにそっくりなゲームなどがある。もちろん、外国のゲームだけでなく、中国国内の人気ゲームも模倣される。 そして今、スマートフォン向けゲームにも、様々なそっくりゲームが登場している。 日本で人気のゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」「モンスターストライク(モンスト)」「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ(黒ウィズ)」「ブレイブフロンティア(ブレフロ)」をはじめ、「キャンディークラッシュサーガ」や「クラッシュオブクラン」など、外国の人気ゲームにそっくりなゲームが登場している。パズル&ドラゴンズもどきや、モンスターストライクもどきについては、そっくりなゲームが数種類ある。 そっくりなゲームでありながら、多くの利用者を獲得するゲームがある。中国人にウケがいいように、ゲームデザインはもとより画面デザインまで一緒で、キャラクターや世界観だけを「三国志」などの中国モノにしたものだ。また中国で人気の日本のアニメやゲームキャラクターを総出演させたゲームもしばしば出るが、だいたいはゲームそのものは作りが手抜きで、ゲームとして楽しくない。