エルメス麻布台ヒルズ店、メゾンが大事にしている手仕事の美と自然に包まれる
■見どころは2階中庭 本店にならいリンゴの木
1階のフロアには2つのフィッティングルームとプライベートサロンが設けられている。そうしたサービス空間も魅力だが、このショップの見どころは2階だ。 2階の小さな中庭(屋上庭園)には、パリのフォーブル・サントノーレ店の屋上にある「秘密の庭園」を思わせる、緑豊かで心が落ち着く一角があるからだ。 フォーブル・サントノーレ店の屋上庭園では、1940年代から大切にリンゴの木が育まれてきた。エルメス麻布台ヒルズ店の屋上庭園にも、そのリンゴの木が物語るエルメスの「フォーブル魂」を受け継ぐためにリンゴの木が植えられた。今後もここを訪れた人々とともにリンゴの木は大切に育てられていくだろう。 1837年の創業以来、職人の手仕事とそれに携わる人々を敬う気持ちを大切にしてきたエルメス。ここ麻布台ヒルズの誕生により、その歴史に新たな1ページが加わった。今後さらにどんな物語が紡がれていくか楽しみだ。 文・大嶋慧子(ファッションエディター&ライター)
大嶋慧子
大学卒業後、『non-no』(集英社)他のエディター&ライターに。ミラノコレクション取材でメンズファッションに興味を持ち、『UOMO』(同)創刊から6年間担当。現在はフリーで活躍。Bruce WeberのフォトグラフとYouTube「もちまる日記」の大ファン。 ※この記事は「THE NIKKEI MAGAZINE」の記事を再構成して配信しています。