いまやSUSHIの勢いに負けている? 寿司職人が危惧する「日本の安値志向」
多様な海外の寿司店
海外の寿司店は、基本的に調理場で寿司を作っていますが、最近ではスシバーという形式もあります。薄暗くてジャズの音楽などが流れているところで、ラフな格好をしキャップをかぶって、ディスコのようなにぎやかなところで、ちょっとチャラい男が寿司を作ったりしている。 日本の寿司店では、板前がピシッと帽子をかぶって前掛けをして、カウンターでお客様と向き合いながらやってるというイメージがあると思いますが、海外のほうではラフになってきているところもあり、クラブの中で寿司を取り入れたりしている店もあります。 ロンドンの人気の寿司店で、「寿司サンバ」というお店があります。ロンドンの街を一望できて、ノリノリの音楽が流れている中で、モダンな寿司を提供し、ワインを飲みながら食べられるにぎやかなお店です。バンコクでもそういうお店が増えてきました。ショーを見ながら寿司が食べられるお店で、連日満員御礼。それぞれの国で、寿司だけでなくお店の色も進化を遂げている。 私としては、寿司職人として寿司を通じて世界各国のお客様によろこんでもらえて、とてもうれしいことです。 寿司は手軽なんですかね、軽くつまみやすいというのがあるのでしょうか。巻物はちょっとしたお皿にきれいに盛り込めば高級感も出るし、寿司は、いろいろなバリエーションができるのだと思います。 イタリアなどでは一口サイズで小さく切った方がうける。香港や上海では厚くボリュームがあった寿司がうけたり、国によって出し方もさまざまで、店の空気によってもいろいろなシチュエーションで寿司を出すことができます。
小川洋利(寿司職人)