大神いずみ「目に入りそうな髪で野球をして父・元木大介に叱られていた中2次男が、さっぱり坊主に!何かを乗り越えた、かも?」
◆野球をやることと髪型、なんの関係があるのだ この日はなんてことない野球の話がコロコロ転がった末に、 「なんでなん!?言うてみぃ!」 夕食の最中突然、坊主にしない瑛介を問い詰めだした。 (学校の友達の目が気になるからに決まってるじゃん) 瑛介の正解をすでに察している母。しかしわたしが言い返してしまうと余計怒りの炎に石炭をくべてしまう。もうわたしの目には… ポッポーーーっ!! 頭から煙を吐いて怒る蒸気機関車にしか見えない夫(トーマスほど可愛くはない)。 「今日のお肉美味しいから」 「ほれ、このキムチもお食べ」 「なぁんだそっかー、君も同じ班だったんだあ!」と何の関係もない話題をぶっ込んで食卓の空気を変えようと躍起になる母・いずみ。 て、 ところでわたしは一体何に気を遣っているのか? そもそも野球をやるのに長髪だの坊主だの、なんの関係があるというのだ。 瑛介が髪を切らない限りずっと続きそうなこのモヤモヤを、わたしはここしばらくずぅぅっと抱えていた。 最近にわかに「反抗期」に突入したらしい態度を見せ始めている瑛介は、父が厳しい言葉で叱っている時は何も言い返さないが、さんざん父に叱られたあとクルッと反対側を向いて 「…チッ」 ひっ!?その舌打ち、どうか夫の耳に届きませんように! わたしにも時々反抗的だが、兄も刃向かったことのない父親とは一触即発の毎日。顔そっくりやのに。なぜだ!? 話は逸れるが我が家にある大量のスニーカー、ほんの少し置き場所がズレていたり一足でもなくなっていたら間違いなく気づく男、それがウチの夫である。恐るべし。 だから大雑把なわたしなど隠し事をしたところで、夫に見つからない自信は全く、ない。 そんな父親が、息子のわずかな反抗的態度を見逃すわけがない。
◆危うい状況の父と息子を置いての帰省 父親の怒りを買う言葉を、不遜な態度で毎日懲りもせず発してしまう息子。 このところヒリヒリするほど危うい状況の父と息子を置いて、わたしは数日福岡に帰省した。 案の定。 家を出た日の夜に電話がかかってきて、夫はイライラした様子で瑛介の野球の話を始めた。 見ていて不甲斐ない。練習中も集中力がない。だいたい、見渡せば瑛介ほど鬱陶しい長髪で野球やってる奴ぁ一人もいない!(そうでもないんだが) やる気あんのか!? 嫌ならさっさと辞めちまえぃ! (いや電話口でわたしにそう言われても) どうどうどう…。 そもそも瑛介のチームにも「坊主頭」にしなければならない決まりはなく、長髪の選手は少なくない。ただ、みんなさすがに帽子に納まる程度の長さだ。 20人ほどおられるどのコーチからも強制されることはないのだが、なぜか夏場の引退をかけた最後の大会前、チームのみんなで頭を丸めて試合に意気込む3年生が毎年いるそうだ。 負ければ引退、の大事な大会前にチームでいよいよ気合を入れよう!という気持ちの表れのようだ。そんな先輩たちの応援に立つ後輩たちも、「いつか俺たちの番が来たら…」と内心ドキドキして見ているのかもしれない。 でも誰かに言われてやるのではなく、いつも選手たちがそれぞれ決心して自ずと坊主にしてくるのだそうだ。 父に長髪を責められた瑛介に電話を代わって、「明日とりあえず美容院に行って髪は短くサッパリしておいで」と伝えた。頭を振り上げて髪を払いながら野球するのは、やっぱりおかしい。絶対練習には邪魔だ。 電話の向こうでほとんど喋らずムスッとしている様子が伝わってきた。 どんよりとした重い空気が我が家に澱んでいるのを福岡の実家から感じ取って、わたしは久々に実家で食が進まなかった。 翌日。 雨で野球のグラウンドが使えないとの連絡が入ったが、我が家からは何の連絡もなかった。
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