弁護士、公認会計士に並ぶ三大国家資格のはずが…マイナーすぎる不動産鑑定士とは。合格率5.5%!?不動産業界では珍しく土日祝休みも
◆不動産鑑定士の仕事内容 次に、不動産鑑定士の仕事内容です。もちろん、不動産の経済価値を判定することですが、土地・建物の評価をはじめ、地代・家賃の評価、開発計画に関するコンサルティングなどとかなり多岐にわたり、依頼目的も売買や担保評価等と様々です。また、主にBtoBの仕事のため、不動産業界では珍しく土日祝が休みとなります。 筆者の我々は業界最大手の(一財)日本不動産研究所に所属していたこともあり、地方の築古戸建から丸の内の一棟オフィスまで、ありとあらゆる不動産を査定していました。 不動産業者の査定書と何が違うんだと思われる方もいるかもしれませんが、不動産業者の査定書は、媒介契約を取るために、テキトーな高い金額を提示したり、AI査定といって評価対象から半径※○kmの事例の平均値でとりあえず査定しているケースが散見されます。 一方、不動産鑑定士が査定する際は、事例の収集はもちろん、「間口が狭いため周辺の事例と比較して割安になる」や「付近で再開発があり、他の事例と比較して価格が上がる要因になる」などの個別的要因も細かく見て評価します。ですので、鑑定士が出した価格と不動産業者が出した価格の「妥当性」には雲泥の差があると断言できます。 お持ちの不動産について疑問点、不安等があればお近くの不動産鑑定士に相談するのもオススメです。ポジショントークと思われるかもしれませんが、業界を知ったうえでの率直な意見です。
◆不動産鑑定士の認知度は… 最後に、一番重要である「不動産鑑定士は合コンでモテるのか?」で締め括りましょう。 結論、不動産鑑定士だからモテるといったことはほぼありません。しかし、ごく一部には刺さります。例えば不動産鑑定士を知っている弁護士事務所勤務の女性や銀行員など、不動産鑑定士とかかわりがある方には、「凄いですね」と言われがちです。 なお、知り合いの不動産鑑定士はほとんどが結婚しているので、婚活市場においては「不動産鑑定士=しっかりとした仕事をしている」と見られているのかもしれませんね。 結論:不動産の価値を知りたいなら不動産鑑定士に聞くのがベスト。 要点(1) 不動産鑑定士試験の勉強時間は2,000~ 3,700時間程度。 要点(2) 不動産鑑定士は土日祝日は休み。 要点(3) 不動産鑑定士だからといってモテることはない。 ※本稿は、『悪魔の不動産鑑定』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
中瀬桃太郎,泰道征憲