ガッカリ…? 日本代表、アピールに失敗した6人。11月シリーズで目立たなかった男たち
DF:板倉滉(いたくら・こう)
生年月日:1997年1月27日 所属クラブ:ボルシア・メンヒェングラートバッハ(ドイツ) インドネシア代表戦:フル出場 中国代表戦:フル出場 サッカー日本代表の常連である板倉滉は、中国代表戦で約3年ぶりとなる代表での得点を決めた。しかし、全体的にはアピールに成功したとは言いがたい内容だった。 11月シリーズの日本代表は、冨安健洋、伊藤洋輝、谷口彰悟などセンターバック(CB)の主力が不在だった。その中で板倉は、ディフェンスリーダーとして3バックのセンターとして2試合ともフル出場。しかし、肝心の守備で不安定な場面が見られたのは痛手だった。 板倉といえば、AFCアジアカップカタール2023の準々決勝イラン代表戦で決勝点につながるPKを献上したことが記憶に新しい。コンディションが万全ではなく最後までパフォーマンスが安定しなかった板倉は、悔しさの残る大会となった。 その悔しさをバネに、所属するドイツのボルシア・メンヒェングラートバッハ(ボルシアMG)で活躍。今シーズンはクラブで唯一全試合フル出場を続けているところで、その成長ぶりを11月シリーズで見せたかったが、インドネシア代表戦では橋岡大樹と、中国代表戦では瀬古歩夢との連係がかみ合わず、危険なシーンが何度も生じた。 板倉にとって難しかったのは、3バックの中央での起用だった。左右で対人守備とビルドアップに専念できれば、普段のようにプレーできた可能性は十分にあるが、今回は森保ジャパンでのプレー経験が浅いパートナーを動かさなければいけない立場だった。普段の「奪いに行く」積極的な守備よりも「カバーリング」に比重を置く必要があり、プレーの質が影響を受けた。 こうした状況下でも期待された役割を十分に果たせなかったのは事実であり、谷口ら他の常連CBとの差が浮き彫りになった。
MF:田中碧(たなか・あお)
生年月日:1998年9月10日 所属クラブ:リーズ(イングランド) インドネシア代表戦:出場なし 中国代表戦:フル出場 田中碧は中国代表戦にフル出場したが、活躍よりもミスの方が目立った。34分には不用意なボールロストから相手に決定機をつくられるなど、危ない場面もあった。後半に入ってより高い位置を取れるようになっていくらか持ち味を発揮したものの、全体としてアピールと言えるほどのパフォーマンスではなかった。 今年夏に加入したイングランド2部のリーズで好調の田中は、10月以降はリーグ戦全試合にフル出場している。最近は主にボランチを務めており、日本代表とは違う4バックだとしても、ポジション適正ではあまり不安はなかった。それだけに、日本代表でのパフォーマンスにも期待が集まったが、今回は存在感を発揮するには至らなかった。 10月シリーズでもチャンスはあった。遠藤航がコンディション不良で欠場したオーストラリア代表戦で起用されたときも、攻守両面でインパクトを残せず、守田英正に大きな負担をかける内容だった。 森保一監督が遠藤と守田不在時の最有力候補として田中を考えているのは明らかだが、10月シリーズと11月シリーズの内容は、むしろ2人の不在の大きさを浮き彫りにしただけだった。このため、「ボランチ控え1番手」のポジションを失う可能性も否定できない。 遠藤が31歳、守田が29歳の日本代表は、いつまでもこの2人に頼り続けるわけにはいかない。不動のコンビからポジションを奪う選手の登場が期待されるが、少なくとも今回の田中のパフォーマンスはその水準には達していなかった。