ガッカリ…? 日本代表、アピールに失敗した6人。11月シリーズで目立たなかった男たち
FW:中村敬斗(なかむら・けいと)
生年月日:2000年7月28日 所属クラブ:スタッド・ランス(フランス) インドネシア代表戦:出場なし 中国代表戦:64分 OUT 中村敬斗は、FIFAワールドカップ(W杯)26・アジア最終予選での高い決定力を武器に活躍してきたが、19日の中国代表戦では現在の課題が浮き彫りとなった。 所属するフランスのスタッド・ランスでは、今季リーグ戦11試合で6得点を記録し、飛躍的な成長を遂げている中村だが、日本代表で採用されている攻撃的な3バックのシステムでは、左ウイングバックで起用されている。 この配置により、中村の得意とする足元でボールを受け、カットインからシュートを狙うプレースタイルの魅力がやや半減している印象だ。 その中でも、2次予選のミャンマー代表戦で2得点を決めるなど存在感を発揮してきたが、中国代表戦では左サイドで孤立するシーンが多く見られた。低い位置でパスを受けてドリブルで1人をかわしても、相手の守備ブロックを崩しきるまでには至らず、決定的な仕事を果たせなかった。 また、中国戦では田中碧と南野拓実の縦ラインが機能せず、攻撃は久保建英と伊東純也のいる右サイドがほとんどだった。右で崩して左で仕留めるのが理想だったはずだが、結果としてこれも中村がアピール機会を失う原因となった。 対戦相手の多くが守備的にくることが想定されるアジア予選において、中村のように個の力で違いを生み出せる攻撃的なウイングバックは強い武器だった。しかし、これからW杯本大会の対戦相手を意識すると、守備の能力も必要になってくる。そうなると、中村はさらに厳しい立場になる可能性があるだろう。 決定力の高さとクラブでの活躍を考えると、即座に森保一監督の構想から外れることは考えにくいが、今後はシャドーの一角で起用するなど、ウイングバック以外でのプレーが増えるかもしれない。
DF:瀬古歩夢(せこ・あゆむ)
生年月日:2000年6月7日 所属クラブ:グラスホッパー(スイス) インドネシア代表戦:出場なし 中国代表戦:フル出場 瀬古歩夢は、19日に行われたFIFAワールドカップ(W杯)26・アジア最終予選(3次予選)の中国代表戦にフル出場した。しかし、そのパフォーマンスは次回の代表招集を保証するものとは言い難い内容だった。 今回のサッカー日本代表は、冨安健洋、伊藤洋輝、谷口彰悟という主力が不在だった。15日のインドネシア代表戦の先発から橋岡大樹が外れて、その位置に起用されていたことからも、瀬古がセンターバック(CB)の序列で厳しい位置にいることがうかがえる。 そうした状況だけに、中国代表戦で活躍したいところだったが、フィジカル面で後手に回る場面が目立ち、不要なファウルも散見された。さらに、失点にも関与しており、相手に付け入る隙を与える形となった。 攻撃時のビルドアップについては、比較的冷静にこなし、適切なタイミングで適切な相手にパスを当てていた。その点では、橋岡よりも好印象を残したと言えるだろう。しかし、日本代表CBの常連組であれば、その適切さに加えて、グラウンダーのパスで次の展開をつくる気遣いまで加えることができるはずで、序列を覆すアピールだったとは言えないだろう。 瀬古は、今回の代表招集が約1年4カ月ぶりだった。所属クラブで継続してプレーしてアピールをすることで代表に戻ってきたが、定着への道のりはまだ長いかもしれない。