シニア世代のキャリアチェンジは難しい?|キャリアチェンジのリスクを解説【シン・会社のマナー】
長く仕事人生を続けていくと、「この先も、今の仕事をこのまま続けていくべきか」という問題に突き当たる人も多いかと思います。今までの経験をもとに、スキルを磨いて社内で昇進を目指すことや、より高いポジションを目指して転職することはキャリアアップと呼ばれています。一方、キャリアチェンジとは、一般に今まで経験のない業界や職種に転職することです。 写真はこちらから→シニア世代のキャリアチェンジは難しい?|キャリアチェンジのリスクを解説【シン・会社のマナー】 未経験の仕事に挑戦することは、新たな世界を知るチャンスでもありますが、リスクも大きいことは否定できません。中には、シニア世代になってからキャリアチェンジを考える人もいます。今回は、シニア世代のキャリアチェンジについて人事・労務コンサルタントとして、「働く人を支援する社労士」の小田啓子がリスクを中心に解説していきます。
シニア世代のキャリアチェンジのリスク
少子高齢化の急速な進展により、高齢になってからも働き続ける人は年々増えています。高年齢者雇用安定法により、今では65歳までの雇用確保はすべての企業の義務となりました。さらに65歳以上、70歳以上になっても仕事を続けている人も少なくありません。老後の生活資金は十分余裕があるという人は少数派です。 ◆再雇用か転職か? 60歳定年企業の場合、再雇用制度などを利用して同じ会社で働き続ける人は8割以上に達しています。再雇用は転職に比べると確実性がありますし、待遇が下がるとしても比較的安定した選択であると言えるでしょう。転職は、今までの経験を活かしたものであっても、一定のリスクはあります。まして、シニア世代になって未経験の世界にキャリアチェンジするのは、かなり思い切った選択といわざるを得ません。 経験がない仕事への就職は、若い人のほうが有利であることは確かです。シニア世代の場合、若い人ほど適応力がないのが普通ですから、新しい職場にうまくなじめるとは限りません。給与などの待遇についても、未経験の仕事では多くは望めないのが現実です。中高年になってからのキャリアチェンジは、こうしたデメリットがあることは認識しておく必要があります。