コロナ禍で生活に困った人の年末年始を支援 「名古屋越冬活動」始まる
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コロナ禍で生活や仕事に困っている人たちが年を無事に越すための支援を受けられる場所が28日、名古屋市中区三の丸の「大津橋小園テニスコート」脇の小さな公園につくられた。食事を無料で提供する「炊き出し」や衣類の提供、医師による診察や血圧測定などが無料で受けられる。また、生活保護の申請に必要な手続きなどについて相談することもできる。支援者の一人は「遠慮なく何でも相談しに来てほしい」と話している。
どんな支援が受けられる?
名古屋地区で日ごろから生活困窮者を支援している団体が「名古屋越冬活動」と名付けて行っている活動で、今年で47回目を数える。会場は、名古屋城や官庁街に近い外堀通りに面した場所で、名古屋市営地下鉄名城線の市役所駅から徒歩6分のところ。小さな公園には、各団体のテントブースが並んでいる。 支援活動は1月4日朝まで行われる予定。具体的な支援は次の通り。 ▽炊き出し…1月3日まで毎日「昼過ぎから」と「午後7時ごろから」 ▽生活健康相談(「ささしまサポートセンター」の医師らが対応)…元日を除く3日までの午後0時45分~午後2時半 ▽弁護士による法律相談…30日午前10時~午後2時ごろ ▽散髪…12月31日と1月3日の午前10時~午後4時 ▽衣類配布…随時。 なお、会場では、募金や物資(毛布や男性用冬物衣類、賞味期限内の食料品、使い切りカイロなど)の寄付も常時受け付けているという。
初日は50人が親子丼に列
活動初日の28日夜は約50人が列を作り、順番に温かい親子丼を受け取っていた。実行委員会によると、今年は名古屋市がコロナ対策の名目でビジネスホテルを借り上げ生活困窮者約40人に宿泊場所として提供しているため、炊き出しに並ぶ人は昨年より少ない印象だという。 支援を受けるためにやってくる人の中には、30~40代と思われる比較的若い世代の姿も少なからず見られた。焚き火を囲んでいた男性の一人は「長いこと仕事には就いていない。生活保護で食いつないでいる」と話していた。 この活動の実行委員会代表を務める看護師、東岡牧さんは「炊き出しなどをきっかけに、困っている人たちの話を聞いて、どんな選択肢があるのかを伝えた上で、選んでもらえるようにしたい」という。生活保護もこうした選択肢の一つとなるが、「『申請を手伝いましょうか』と声掛けしても、若い人には断られるケースが多い。恥ずかしいというイメージがあるためだろう。しかし、困ったときは生活保護を使って生活を軌道に乗せることが大事。この場に来てくれた人たちを、役所が始まる1月4日以降、行政や福祉の窓口につなげたい」と話している。 (関口威人/nameken)