まるで自転車版“究極と至高”の対決! マクラーレンとアストン・マーティンが作った2台のスーパーバイク
いずれも250か600という2種類のパワーユニットが選べ、600(スポーツ600かエクストリーム600)を選択すると、最大852Wのピークパワーと時速20マイル(時速32km)の最高速度を発揮し「街乗り電動マウンテンバイクとして世界最強の座を争う」と同社が自慢するハイパフォーマンスの世界を味わえる。
アストン・マーティンが作りあげた至高の美しいロードバイク
一方、アストンマーティン製の自転車は、写真を見ればすぐ分かるように、美しい。 しかし、見れば見るほど、普通の自転車と何かが違うと気づくだろう。まずケーブルやホースが見当たらない。さらに、各部位を繋ぐはずのボルト類がない。同社は「ボルトが見えないデザインを生み出した」という。 自転車を設計したのは、アストン・マーティンのマシンを手掛けるデザイナーたち。ただし、強力なパートナーとタッグを組んだ。 同じイギリスに居を構えるチタンバイクのスペシャリスト、J.ラベラック社だ。両社によって生まれたこの美しいバイクは「J.ラベラック・アストン・マーティン.1R」と名付けられた。
こちらもF1マシンのノウハウを用いて製作したカーボンファイバー製チューブを、チタンのラグ(つなぎ目)とシームレスに接合。ラグとチューブの“融合”によって、比類のない美しい自転車を完成させたのだ。
美しい、だけではないのがJ.ラベラック・アストン・マーティン.1Rの凄いところ。チタンラグとカーボンファイバーの融合だけでもかなりの職人技なのに、完全ビスポークなのだ。 この自転車を注文しようとディーラーへ訪れると、場合によってはJ.ラベラック社の創設者自らが、顧客のための正確なフィッティングを行ってくれるという。
例えばフレーム角度やハンドルバーの幅、クランクの寸法までマイクロミリメートルの精度で指定が可能。もちろん各部のカラーを自由に指定できるのは言うまでもなく、愛車とペアで仕立てることも可能だ。 ◇ という具合に、スーパーカーメーカーが本気で作る自転車は、まるで工芸品。価格はマクラーレン・スポーツが7950ドル(約113万円)から、J.ラベラック・アストン・マーティン.1Rはオーダーした人のみが知る仕組みだ。 究極のパワーか。至高の美しさか。どちらにせよ、手に入れたあかつきには価格なんて気にせず思いっきりペダルを踏み込んでその乗り味を味わいたい。 籠島康弘=文
OCEANS編集部