エミー賞史上最多受賞『一流シェフのファミリーレストラン』何の気なしに見た第1話がいきなり最高で沼る【ミニレシピ付き】
全米一のレストランのシェフをしていた最高の料理人が、ダイナーでサンドイッチ作り!?
最初のシーンは、橋の上で始まります。檻にいるクマと向き合う男性。彼は檻の扉をなぜか自ら開き、恐怖に耐え緊張しながら「大丈夫だ」と獰猛なクマに声をかけます。 次のシーン。彼の名はカーミーといい、ダイナーのオーナーシェフであることがわかります。彼は牛肉の塊を取り出し、まな板にどんと乗せます。さやから取り出した包丁はよく磨かれており、おそらく日本製で漢字で名前が刻まれています。手のひらで肉の形を整えたら、よく切れる刃でその肉の脂肪や筋を丁寧に取り除いていきます。その眼差しは真剣そのもの。 次の場面、彼は「頼みがある」と電話をかけ、大急ぎで家に走って帰り自身のコレクションのプレミアムデニムを持ち出します。そして裏通りでジャージ姿の男と物々交換を試みます。「1944年製ビッグEの赤耳。転売すれば1250ドルになる」。「550ドル足りない」と言われ、これも、と男に押しつけるのは、ダイナーの端にあるコインゲームからかき集めた小銭の袋。さらにもう1本のデニム。カーミーがやっと手に入れられたのはパッキングされた牛肉の塊。店に資金がないために彼は物々交換で食材の仕入れをしてたのです。 そして、再び厨房。スパイスをまぶされた牛肉の塊は、綺麗な色に焼き付けられます。そして、規則的に美しく切り揃えられている玉ねぎとにんじん。トマトで煮込まれているところへカメラはズームで迫ります。 厨房におずおずと現れたのは若い女性シドニー。副料理長であるスーシェフに応募してこの店に面接に来たのです。ざっと職務経歴書をチェックすると彼女は名店に料理人として勤務していた経歴の持ち主でした。「なぜこの店に?」とカーミーは尋ねます。「ここは父のお気に入りの店で一緒に来てたの」。彼は彼女の採用を決め、今日のまかないを作るように言いつけますが、シドニーはとまどいながらカーミーに質問を投げかけます。 「あなたを知ってる。全米一のレストランのシェフをしていた最高の料理人でしょ。あなたこそここで何を?」 「……サンドイッチ作り」、少し考えた後、彼は少し困ったように笑い、答えました。