【Q&A】3回目の発出「緊急事態宣言」とは?
新型コロナウイルス感染症対策として首相が発出する緊急事態宣言。これまで昨年4月、今年1月に続き、今回が3回目です。ニュースでよく耳にする「緊急事態宣言」ですが、そもそもどのような内容なのでしょうか。また、発出されると私たちの生活はどう変わるのでしょうか。過去2回の宣言で取られた対策を振り返りながら見てみましょう。 【動画】3度目の緊急事態宣言「短期間で集中して実施」 菅首相が会見
Q:政府による「緊急事態宣言」とは?
新型コロナウイルス対策の特別措置法(特措法)に基づく宣言です。 発出するには(1)国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れがある(2)全国的かつ急速なまん延により国民生活・国民経済に甚大な影響を及ぼす、あるいはその恐れがある――の2要素が認められる必要があります。
Q:対象地域はどこ? どう決まるの?
政府は「緊急事態宣言」を出すにあたり(1)期間(2)区域(3)緊急事態の概要――を示す必要があります。緊急事態宣言の期間や具体的な対策などは「基本的対処方針」に記し、宣言発出や内容変更をする際にはこの対処方針の内容を「基本的対処方針分科会」(会長:尾身茂氏)に諮る手続きが必要です。 今回の期間は4月25日から5月11日までの17日間、対象地域は東京、大阪、兵庫、京都の4都府県です。
Q:宣言対象の都道府県ではどういう措置がとられるの?
人流を抑制する観点から、 (1)酒類の提供やカラオケ設備がある店舗に対する休業要請(酒類などを提供しない飲食店は午後8時までの営業時間短縮) (2)イベントや催し物は原則として無観客で開催するよう主催者に要請 (3)地下鉄やバスなどの交通事業者に対して平日の終電繰上げ、週末休日の減便などを依頼 (4)建築物の床面積の合計が1000平方メートルを超える商業施設(生活必需品の販売店などを除く)に対して休業を要請 などが行われます。
Q:過去2回の緊急事態宣言はどういう内容だったの?
コロナ禍の中、これまでに昨年2020年4月から5月までと今年2021年1月から3月までの2回、緊急事態宣言が発出されました。 1回目は、国内で初めて感染が拡大したいわゆる「第1波」の流行です。この時は初めに東京、大阪、福岡など7都府県を対象としていましたが、その後対象地域が拡大していき、一時は全国が対象となりました。対策としては、飲食店、スポーツジム、ライブハウスなど幅広い業種が休業要請の対象となりました。 2回目は、年末年始に感染者数が急拡大した「第3波」の時です。東京を中心とする首都圏で感染が急拡大したため、神奈川・千葉・埼玉を含む1都3県を対象区域として発出されました。後に大阪、愛知、福岡などが追加され、もっとも多いときには11都府県が対象となりました。1回目との違いは、休業要請は行わず、飲食店に対する午後8時までの営業時間短縮に絞った点です。
Q:「まん延防止等重点措置」も出されたよね?
「まん延防止等重点措置」とは、急激な感染拡大を抑え緊急事態宣言を出す状況に至らないよう、地域を絞って集中的な対策を行うための措置で、特措法の改正により2月から出すことができるようになりました。適用された都道府県では、その都道府県内でエリアを指定して飲食店への時短営業要請などを行うことができます。 この措置は、大阪、兵庫、宮城の3府県で4月5日に初めて出されました。その後、12日には東京、京都、沖縄が、20日からは埼玉、千葉、神奈川、愛知の4県が追加されました。今回の緊急事態宣言の発出と同時に、政府は愛媛県も重点措置の地域に加えました。