中国の「崩壊」が止まらない…世界が中国から撤退を始めた「2つの理由」
---------- 混迷する世界はどう動くのか。池上彰氏が見通す人気新書シリーズ第15弾『知らないと恥をかく世界の大問題15 21世紀も「戦争の世紀」となるのか? 』(角川新書)から一部抜粋して、停滞を続ける中国経済について紹介する。 ---------- 【写真】「日本のどこがダメなのか?」に対する中国ネット民の驚きの回答
異常だったマンションブーム
アジアで注目といえばやはり中国です。 これまで、世界経済を牽引してきた中国ですが、このところ経済成長に急ブレーキがかかっています。過去の成長エンジンが使い果たされたのです。 2023年には、外国の投資家の撤退やムーディーズ格付け見通しの引き下げなどがあり、中国への投資意欲は引き続き減退するとみられています。 中国はこのところずっと日本の貿易相手国1位でした。世界は中国の爆買いに期待し、多くの国が経済的に中国に依存してきました。中国がコケると、世界経済にも大きな影響があります。 中国の失速の一番大きな原因となっているのが、不動産、とくにマンション購入の停滞です。中国人はこれまで、住むためではなく、「買っておけば値段が上がる」と、投資のためにマンションを買っていました。 中国の場合、土地は国の所有物なので売買できません。土地の使用権を売買する形になります。不動産会社が土地の使用権を買ってマンションを次々と建設、それが売れて値上がりしてきたのです。あまりのブームから、地方では、「1世帯2戸まで」と購入制限をしたところもあります。そうすると、なんと偽装離婚をして、2戸ずつ購入する家庭まで出る始末。 マンションが値上がりすると、資金力のある一握りの富裕層は儲かるでしょう。しかし、本当にマイホームを買いたい人が買えない状況になり、不満が高まりました。 習近平国家主席は、「金儲けのためのマンション購入をやめさせよう」と、各銀行に対して「マンション建設業者にあまりお金を貸さないように」と、規制を始めました。
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