【闘病】夏バテと思っていた症状が「全身性エリテマトーデス」だったとは…
透析前の保存期に発症した、拒食症と鬱
編集部: その後、透析前の保存期に入られたそうですね。 カヨコさん: はい。退院と同時に透析を始める予定だったのですが、自己血管シャントがうまくいかず、透析前の保存期に入りました。食べられるものがわからず、精神的に滅入ってしまい、拒食症と鬱を発症したのもこのころです。 編集部: 透析前の保存期はどのくらいあったのでしょうか? カヨコさん: 血管が細いうえにステロイドを大量に飲んでいたので減薬しながら様子を見ていて、手術ができるまで一年待ちました。 タンパク質20g、塩分3gで日常生活を送ることはとても難しく、食べられるものがほとんどないので、一年で15kg痩せました。精神的にも辛かったです。 編集部: SLEに向き合う上で心の支えになったものを教えてください。 カヨコさん: 「どんな姿でも生きてほしい」という主人の言葉だけを信じて励みにしていました。 編集部: もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか? カヨコさん: ストレスが引き金になるとも言われるので、良くも悪くもマジメなところをもう少し柔軟に、“片目で見る”くらい心に余裕を持つこと、自分の異変に早く気づき、早めに対処することでしょうか。
同病の人には、「無理して頑張らないで」と伝えたい
編集部: 現在の体調や生活などの様子について教えてください。 カヨコさん: 免疫抑制剤とステロイド薬を治療のメインとしていましたが、帯状疱疹をきっかけに痛みで食べられず栄養失調となったので、免疫抑制剤が強く効きすぎることからステロイド薬のみで治療しています。 ステロイド薬は30mgから始まり、現在は朝のみ5mgで維持しています。現在は感染対策をしっかりして、なるべく規則正しい生活を心掛けていますが、それ以外は日常生活を問題なく送ることができています。 編集部: 医療従事者に望むことはありますか? カヨコさん: SLEは、病院によって腎臓内科、血液内科、膠原病科、リウマチ科とバラバラなので症例が集まっていかないように感じます。対症療法だけでなく根本的な治療薬の開発のためにも、国が統一して「難病治療」へ目を向けていただければと思います。 編集部: 最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。 カヨコさん: SLEは全身性の病気であり、いまはまだ完治も望めません。同病の方は常に爆弾とともに生活するような毎日で、ネガティブになってしまうかもしれませんが、つらいときは周りに甘えて自分だけで無理して頑張ろうとしないようにしてください。 リラックスできることをして、自分を大切にしてください。