メルセデス代表、ゴタゴタが続くFIAに「彼らだけでリアリティ・ショーができるよ!」
メルセデスのトト・ウルフ代表は、FIA内部での最近のゴタゴタを基にした独自のリアリティ番組が作れると語った。 【リザルト】F1第23戦カタールGP:決勝結果 ラスベガスGPの前にF1レースディレクターのニールス・ウィティヒが解任されるなど、FIAではここ数週間の間にスタッフの異動が相次いでいる。 また、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)がドライバーたちを代表し、FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長に対して罰金の使途についてより明確な説明を求めたり、ひとりの大人として扱うよう要求するなど、FIAと各チーム間の緊張は高まっているようだ。 しかしこれに対してベン・スレイエム会長は、FIA外の人々の反応は意に介さず、カタールGPではドライバーたちの要求について「彼らには関係ない」と発言した。 そのわずか数時間後、F1カタールGPでのFIAの対応も大きな話題となった。コース中央に落ちたミラーへの対処と、多くのペナルティが科されたことが物議を醸したのだ。 メルセデスはジョージ・ラッセルがセーフティカー中の手順違反によって5秒のタイムペナルティ、ルイス・ハミルトンはジャンプスタートによって5秒、さらにピットレーンでのスピード違反により5秒のペナルティを受ける散々な週末となったが、ウルフ代表はFIAを取り巻く状況は現時点では理想的とは言い難いと語る。 「ポジティブな見方をすれば、現在起きていること自体がリアリティショーになり得るということだ」 そうウルフ代表は語った。 「すべてのステークホルダーは、この聖杯のようなスポーツを守り、説明責任を含めた責任と透明性を持ってやっていかなければならないことを肝に銘じる必要があると思う。しかし、そのようなことは伝わってこない」 「私は組織について調べることはできない。我々(チーム)がそれを維持しようとしていることは理解している。でもドライバーたちが、彼らが示したように団結しているのはいいことだ」 「各チームは自分たちが正しいと信じていること、間違っていると信じていることを理解している。だから誰もが鏡を見て、『自分はこのスポーツにベストを尽くしているのか、そうでないのか』考える必要があるんだ」 ベン・スレイエム会長の、「ドライバーには関係ない」という発言を受けて、ウルフ代表はFIA会長が組織内の問題にどう対処するかは彼次第だと同意した。一方で彼は、モータースポーツ全般の利益のために行動することを保証する義務がFIAにはあると感じている。 「彼(ベン・スレイエム会長)は彼が望むように他の人達を解雇することができると思う。彼の組織で、彼が会長なのだから。それは(他の)誰かが関与することではない」 「ドライバーや我々全員にとって重要なのは、『意思決定プロセスがより良くなるのか? レギュレーションは良くなるのか? このような組織や人事の変化によって、スポーツは向上しているのだろうか?』ということなんだ」 「このすべての答えがイエスであれば、それは彼が処理しなければならない内部問題だ」 「しかし、ニュースになっていること、ネガティブなイメージや評判が波及する可能性があることは、我々全員にとって良くないことだ」 「私が言っているのは、すべての関係者についてなんだ。FIAやドライバー、チーム、メディア、リバティ、そしてステファノ(ドメニカリ/F1のCEO)。二極化、対立が激しい時代には、合理性が勝つ必要があると思う。そして私から見て、今のところそうなっているようには見えない」
Jonathan Noble