コロナ禍から「生理の貧困」が世界中で問題に。自治体などの対応は?
10代から50代の多くの女性は、月経(生理)と付き合わなければなりません。 しかし、経済的な理由などがあり、生理用品の入手が困難である、生活するだけで精いっぱいで生理用品の購入負担が大きいことに悩む人もいるのではないでしょうか。そのような状態を「生理の貧困」といい、各自治体などが解決のための取り組みを進めています。 本記事では、生理の貧困について詳しく解説します。入手に苦労している人の割合をはじめ、生理の貧困を解決するためにどのような取り組みが行われているのかなどをまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
生理の貧困とは?
生理の貧困とは、生理用品の入手が困難な状態を意味します。入手困難な理由は複数ありますが、最大の理由は経済的なものです。なぜなら、人それぞれ異なるものの生理周期は「28日」「35日」などとなっており、1ヶ月に1回程度は生理用品の使用機会が発生します。 一般的な購入費用は1ヶ月500~1200円、これを生涯で計算すると約40万円となり、給料などから捻出するのが厳しい人も一定数存在するのです。 また、生理の貧困とは経済的理由にフォーカスされるのが一般的ですが、その他にも親に購入をお願いできないといった生理の話題を口にしにくいというものも挙げられます。 ■生理用品の購入や入手に苦労している人の割合 厚生労働省の「『生理の貧困』が女性の心身の健康等に及ぼす影響に関する調査」によると、新型コロナウイルスが発生した2020年2月頃以降に生理用品の購入・入手に苦労したことが「よくある」「ときどきある」と回答した人の割合は8.1%でした。 年齢は30歳未満、世帯年収300万円未満の者の割合が高く、収入が少ないこと(37.7%)や自分のために使えるお金が少ない(28.7%)、その他のことにお金を使わなければならない(24.2%)など、経済的な問題が理由であることを確認できます。 ■生理の貧困によって衛生的な生活を送るのが困難な場合がある 同調査では、生理用品を購入・入手できないときの対処法として以下のような回答があったことを伝えています。 ・生理用品を交換する頻度や回数を減らす(長時間利用するなど):50.0% ・トイレットペーパーやティッシュペーパーなどで代用:43.0% ・家族や同居者、友達に生理用品をゆずってもらう:73.0% 家族や同居者、友達に譲ってもらえる状態にあればよいのですが、交換頻度や回数を減らしたり、生理用品以外の物で代用したりすることにはリスクがあります。 例えば、「外陰部にかぶれやかゆみがあった」 「おりものの量や色に異常があった」 「外陰部などの発赤や悪臭」といった衛生面に何らかの影響があるというものです。 また、生理用品を購入・入手できないために、予定をあきらめたり、家事や育児、介護が手につかない、学業や仕事に集中できないといった声もあるなど、精神的な負担も少なくありません。