外務省がアフリカで行った衝撃の“証拠隠滅”騒動 「旧統一教会の痕跡を消し去れ!」
「まやかし」の調査結果
この調査結果は「うそ」ではない。だが、「まやかし」だった。なぜなら、“独立したNGO団体”としてODAを申請するというスキームを持ちかけたのは、現地・セネガルの日本大使館の職員だったからである。セネガルの現場で何が起こっていたのか、順を追って説明する。 そもそも「JAMOO」とは、女性連合日本支部が1995年に立ち上げた国際貢献プロジェクトの名称だ。女性連合の運営と寄付で、ダカール市に職業訓練校「JAMOO1」を開設、現地の女性に技術を教えて就職などに結び付けるという取り組みで、これまで1200人以上が卒業した。 この職業訓練校の校長を務めていたのが、ディオプ氏だった。「JAMOO」プロジェクトはセネガル政府からも高く評価され、08年には国連経済社会理事会の「ミレニアム開発目標のベストプラクティス」にも認定されている。 しかし、程なくして問題に直面する。生徒が増えたため校舎がかなり手狭になってきたのだ。さらに賃貸物件で運営していたのでたびたび転居を余儀なくされることがあったのだ。 そんな時、かねて顔見知りだった在セネガル日本大使館職員から、ディオプ氏は日本のODAを使って新しい校舎を建設したらどうかと勧められる。国連やセネガル政府が評価する社会貢献ならば、日本の外務省としても申し分ないという。
なぜ面倒な手順を踏ませた?
渡りに船ということで、さっそく申請をしようとしたディオプ氏だが、そこで大使館職員からこんな助言をされる。この申請は女性連合ではなく、ディオプ氏個人が市民団体を設立し、そこから申請をした方がいいのではないかというのだ。 そう聞くと、「はなから日本政府が旧統一教会系にカネをストレートに渡すとマズいから、表向きは“旧統一教会色”を消すように隠蔽工作を指南したのではないか」と誤解する人もいるかもしれない。しかし、この時点ではそんな深い意味はなかった。 大使館職員とディオプ氏がこの打ち合わせをしていた15年当時、日本で旧統一教会は全くと言っていいほど批判されておらず、そのため自民党議員たちも当たり前のように関連団体のイベントに出席していた。そんな時代に外務省だけが「教団との関係」に神経を尖らせるわけがない。あるいは、“ウブ”な外務省は女性連合が旧統一教会の関連団体であることを知らなかっただけかもしれない。 それでは、なぜこのような面倒な手順を踏ませたのかというと「善意」である。 「大使館職員によれば、日本のODAは女性連合のような国際組織よりも、現地の市民団体などへの方が供与しやすい傾向があるそうです。長くセネガルの女性を支援してきた私たちを評価して、素直に応援してくれただけです」(ディオプ氏) こうして彼女が代表になって設立されたのが、女性平和団体「JAMOO」。女性連合の「JAMOO」プロジェクトに誇りを持っていた彼女は当たり前のようにNGO団体にもその名を付け、自身が運営する職業訓練校にも女性連合のロゴを使用していたというわけである。