更年期の心の不調をラクにする考え方と5つの処方箋。
心にも不調が出やすい更年期。 どうしようもなく鬱々とした気持ちになるのは皆同じ。 共にラクになる考え方を見つけましょう。
「更年期を迎えると、体だけでなく、心にも不調が現れるのは当然のことです。“人生のスピードをゆるめる時期”がきたと考え、まずは自分をいたわる方向へ意識を変えましょう」と、アドバイスするのは婦人科医の松村圭子さん。 更年期の症状がメンタルにも現れやすいのは、女性ホルモンと自律神経が互いに影響し合っているから、という。 「心身ともに健康は“ホルモン・自律神経・免疫”の3本柱で支えられていて、そのうち女性ホルモンと自律神経の働きは同じ脳の視床下部が司っています」 加齢による卵巣機能の低下から、指令どおりに女性ホルモンが分泌されなくなると脳が混乱。 「その影響が自律神経にも及んでバランスが乱れることで、体だけでなく、メンタルにも不調が出やすくなるのです」 さらに、女性ホルモンのエストロゲンの減少により、“幸せホルモン”のセロトニンの分泌も減るため、「ささいなことで不安になったり、落ち込みが激しくなったりと、気持ちがネガティブな方向に向かいやすくなります」。 また、この年代は、家庭でも子が独立したり、親の介護が始まるなど環境の変化も重なりやすい。 「性格的に真面目で几帳面な人は『自分がもっと頑張らなくちゃ』『ちゃんとしなくちゃ』とより重圧を抱えやすい。“自分で自分にストレスをかける考え方”にとらわれたり、追い込まないように回避することが大切です」 まずは、考え方を変えることが、笑顔を取り戻す第一歩。
[心が軽くなる、5つの処方箋。]
人間関係を整理。
メンタル不調は、人間関係も大いに影響。 「エストロゲンとともに減少するセロトニンはやる気を引き出す脳内物質でもあり、減ると人に会うのが億劫になったり、ストレスに弱くなることがあります。この時期は自分の心を平穏に保つことが先決。気が乗らない誘い、心がざわつきそうならSNSも無理せず遠ざけましょう」。 人間関係の整理は一気には難しくても、「今の自分の心の負担になっていないか」「家に招いて会いたいと思える関係か」などと、自分なりの基準を作って少しずつ整理していくのでもいい。