【インターハイ2024】絶対的エースが卒業した岐阜女子で『らしさ』を示す小松美羽「気持ちでは誰にも負けたくない」
「練習でやってきたことを自信を持ってコートで表現しようとしています」
岐阜女子はインターハイ初戦で英明に83-40の完勝を収めた。試合が進むごとに勢いを増し、4つのクォーターすべてで英明を上回ったのは、ベンチ入り12選手全員が得点する選手層の厚さがモノを言ったからだ。絈野夏海が卒業した後、彼女のような絶対的なエースは不在でも、下級生を含めて粘り強く足を動かす『岐阜女子らしい』戦い方を徹底することで、強さを維持している。 3年生が6人、2年生が5人、1年生が1人という構成で、スターティングファイブにも小松美羽と三宅香菜と2人の2年生が名を連ねる。安江満夫ヘッドコーチは「上級生、下級生とはあまり考えていないのですが、セカンドメンバーでも点を取られない、ゲームを繋いでいけるのは、今までよりも選手層が厚くなったと思っています」と手応えを得ている。 タイムシェアを徹底したため個人のスタッツで突出する選手はいなかったが、2年生で先発ガードを務める小松美羽はわずか13分の出場で11得点5リバウンドと、ともにチームトップの数字を残した。 1年生だった去年からベンチ入りして少しずつ試合に出ていた小松だが、今年に入ってキャプテンの林琴美がケガをした時期に先発に抜擢されたことで「スタートとしての自覚や責任が芽生えて、『自分がもっとやらなきゃ』という気持ちを持つようになりました」と自身の変化を語る。 「プレッシャーはあるし、緊張もありますが、コートに出させていただいている以上は自分がやるという気持ちですし、練習でやってきたことを自信を持ってコートで表現しようとしています」と言う小松は、岐阜女子の誰よりもコート上でアグレッシブで、迷いなくプレーしている。 相手がファンブルした一瞬に身体を投げ出し、ヘルドボールになりそうな場面で機敏な動きでボールをかきだして味方に繋ぐ。考えるよりも先に身体が動くようなアグレッシブさは、「気持ちでは誰にも負けたくないので」という芯の強さがプレーに表れたものだ。 そして、スピードに乗ったドライブから華麗なスウィングステップでディフェンスをかわしてシュートを決めるシーンもあった。基本に忠実なバスケを徹底する岐阜女子の選手としては珍しい『派手なフィニッシュ』について小松は、「もともとNBAに興味があるので、ああいうプレーも得意じゃないんですけどあこがれがあります」と笑う。 岐阜女子らしい粘り強さを発揮しつつ、思いがけないサプライズも飛び出す小松は、この夏のインターハイで大きく成長して、これまで以上の自信をつかむに違いない。