【特集】結局のところ「コンピューターRPGの難易度」って?変遷の歴史に考えを巡らす
それらの謎や元々のゲーム自体の難易度の高さ、そしてゲーム内では表現されないグラフィック面(キャラクターイラスト、装備のイラストなど)を求めて、攻略本も多数制作された時代でした(特に当時のスクウェア作品では「基礎知識編」「冒険ガイドブック」など、1つの作品に対して複数の攻略本が出ることも珍しくありませんでした)。
また、特にインターネットの隆盛以降、これらの攻略本でも触れられない、あるいは正確な情報が記載されていない「マスクパラメーター」の謎を解き明かすために、マニアックな攻略サイトも多数生まれました。
「ヘイトコントロール」の誕生と、「短期リソース集中」による戦闘傾向の変化
技術の進歩によって新たに生まれた難易度要素も登場しました。その1つが「ヘイトコントロール」(戦闘中に各キャラクターが取った行動によって、敵の攻撃ターゲットが変化する)で、これを最初に導入したのはPCオンラインRPG『EverQuest』(1999年)と言われています。後にオンラインRPG『ファイナルファンタジーXI』(2002年)に同様の概念が導入され、職業によって「タンク」「アタッカー」「ヒーラー」などのロール(役割)が、より明示的に求められるようになりました。後にこの概念はオンライン・オフラインを問わずさまざまなコンピューターRPGで踏襲され、コンピューターRPGの難易度を決める要素の1つとなっています。
「大量の戦闘」から「1戦1戦の重み」へ
また、「リソース管理」については「キャラクターの完全回復が可能なエリアまでの往復を前提として、長い探索を見据えた長期的なリソース管理」から、「短期間(戦闘1回)でも持てるリソースをつぎ込んで優位に立つ短期的なリソース管理」を行うように調整されたコンピューターRPGも多数登場しています。拠点と3D迷宮の往復から、3D迷宮内サバイバル(休憩はいつでも可能)へと生まれ変わった『ウィザードリィ Bane of the Cosmic Forge』(1990年)はそのはしりとも言えます。
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