【特集】結局のところ「コンピューターRPGの難易度」って?変遷の歴史に考えを巡らす
冒険を成功させるための「難易度」
こうして80年代のRPGを紐解いていくと、「RPGの難易度」というものはなにかと注目されがちな、単純な「戦闘の難易度」だけでなく、デスペナルティの重さやリソース管理、謎解きの答えの誘導の自然さなども含めた「冒険を成功させるための難易度」という事もできます。そのあたりもひっくるめて、『夢幻の心臓II』『イース』『ドラゴンクエスト』はJRPGへ至るための転換点だったのではないか?と筆者は考えます。
1990~2000年代、さまざまなコンピューターRPGが生まれ多様化が進んだ
コンソールハードが8bitから16bit、そして32bitへ進化し、PCがさまざまな国産PCの群雄割拠からPC/AT互換機、そしてWindowsマシンへと移行する中で、ハードウェアの進化によりゲームからさまざまな制限が取り払われました。
例えば『ドラゴンクエストVI』(1995年)では「ふくろ」が登場し、アイテムインベントリのリソース管理をほぼ気にせずに長期的な探索が可能となりました。またメッセージを「思い出す」機能が追加されたことで、プレイヤーがメモを取る必要性も減り、プレイヤーの負担は減っています。
但し、そういった負担の面で難易度を下げた分、「戦闘」の難易度は上がっている印象があり、場違いなベギラマを放つストーンビースト、やっとの思いで倒したと思ったら本気モードを仕掛けてくるムドー2連戦、海底宝物庫でプレイヤーを惨殺するキラーマジンガ様2体などが印象に残ったプレイヤーも多いのではないでしょうか。
マスクパラメーターを多用した『サガ』シリーズと攻略本、マニアックなユーザーの熱意が生み出した攻略サイト
1990年代には野心的なコンピューターRPGも数多く登場しました。『サガ』シリーズはその代表格で、このシリーズにはゲーム内には表示されない「マスクパラメーター」が数多く採用されていることが特徴的です。
特に『ロマンシング サガ2』(1993年)では圧倒的な防御力があると見せかけて実際には特定属性以外にはほとんど機能しないような「最強の帽子」「超銅金の盾」や、技を閃くための条件、魔力以外にも呪文威力に関わる「理力」などこれらの要素をネットを始めて、攻略サイトで初めて知った!という方もおられるのではないでしょうか。
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