【特集】結局のところ「コンピューターRPGの難易度」って?変遷の歴史に考えを巡らす
国産コンピューターRPGではタイムライン制の戦闘を採用し、いかに敵の行動を防ぐかが重要な『グランディア』(1997年)や、「プレスターンバトル」によって敵の弱点を突いて行動回数を増やす(そして敵の攻撃を耐性で防ぎ行動回数を減らす)のが重要な『真・女神転生III』(2003年)などは、短期的リソースをつぎ込んで戦うRPGの代表格と言えるでしょう。
2010~2020年代は「忙しい人向け」が主流!?さらに多様化を続けるコンピューターRPG
近年では多くのコンピューターRPGで「ダンジョン攻略を見据えた長期のリソース管理」から、「毎回の戦闘を全力で突破する短期的リソース管理」に重きを置くようになっている傾向があります。これはスマートフォンが登場し、隙間時間でも濃密なRPGの体験をできるような風潮が求められたからなのかもしれません。
人気リメイク作品の戦闘は、「短時間の激しい攻防」に魅力をおいた?
例えば、『HD-2D版 ドラゴンクエストIII』(2024年)には3段階の難易度調整が追加されましたが、どの難易度においてもオリジナル(1988年)やSFCリメイク(1996年)と比べて大きく敵の行動パターンに手が入れられて敵が強化され、要所要所で強力なボス敵が追加されるなど、単純な戦闘の激しさにおいてはオリジナル・SFCリメイク版をはるかに上回っています。
ただし、プレイヤー側も全体的にHP・MPの量が上昇し、レベルアップ時に全回復する、どの職業にも強力な特技が追加されている、最低難易度ならばHPが1で常に踏みとどまる……など、長期的なリソース管理の重要性は薄れ、こちらのリソースをフルに投入して短期決戦で出来るだけ被害を少なく敵を倒すことが重要なゲーム性へと変化しました。
『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』(2024年)も、「毎回の戦闘を全力で突破する短期的リソース管理」の傾向がより強くなりました。こちらはSFCのオリジナル版(1993年)から毎回の戦闘でHPが全回復するなど、短期的リソース管理の傾向はあったのですが、今回は技の使用に必要なリソースのBPの回復手段が豊富であり、また出来るだけ被害を少なく敵を倒すことが重要な点は『HD-2D版 ドラゴンクエストIII』と共通します。
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