【特集】結局のところ「コンピューターRPGの難易度」って?変遷の歴史に考えを巡らす
また、本リメイクではさまざまな「マスクパラメーター」も、ゲーム内で確認できるようになっており、閃きが発生する可能性のある技には電球マークが付くなど、今までプレイヤーに不可視だった要素が明確にされているのも特徴です。
マスクパラメーター、見たい派?見たくない派?
マスクパラメーターを開示するという流れは(日本ではRPGとみなされることは少ないが、海外ではRPGとみなされることが多い)『モンスターハンター:ワールド』(2018年)以降の『モンハン』では顕著で、それ以前ではゲーム内では確認できなかったモンスターの部位・肉質がゲーム内の図鑑で確認できるようになっているほか、明確な与ダメージ表記が追加されてどこへの攻撃が有効なのか一目でわかるようになりました。
こうしたマスクパラメーターの開示の流れは、出版不況や攻略サイトの登場により昔ほど攻略本が売れなくなったという出版業界の都合のほか、攻略本や攻略サイトに頼って情報格差が生じるくらいなら、いっそゲーム内で情報を開示してしまった方がフェアなのではないか?という制作者の考えもあるのかもしれません。
一方で、これはマスクパラメーターに秘められたメカニズムを解き明かすプレイヤーの「気付き」の快感とのトレードオフになるわけですが、すべてのプレイヤーがその「気付き」に至れるかというとそんなことはなく、また仮にメカニズムに気付いたとしても、プレイヤーが有利にゲームを進めるための最適解を探す上でマスクパラメーターがノイズとなるのであれば、これを排除しようという流れになるのもおかしくないと思います。
なお、マスクパラメーターの開示をオプションでOFFにできるタイトルもリメイク作品を中心にありますが、ユーザー全てがそのオプションの意味に気づくかといえばそんなことはないので、それらがデフォルトでONになっていることの意味は小さくないでしょう。
伝統的な「長期的なリソース管理」ゲームも生き残っている
とはいえ、すべての近年のコンピューターRPGが短期的なリソース投入を主軸においた戦闘で構成されているわけではありません。いまでも昔ながらの系譜は生き残っています。
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