結婚式の主役の座を新郎新婦から奪うサプライズ「ブーケトスプロポーズ」に賛否噴出
結婚式のサプライズにトラブルの危険も
結婚式の演出は「脱定番」で「2人らしく」――。かつては感動を呼ぶ演出として定番だった「ケーキ入刀」や「花嫁の手紙」などをせず、昨今は、新郎新婦らしさにこだわった「脱定番」の演出へ変化しているようです。サプライズを取り入れるケースも増え、ブーケトスの場面に別のカップルがプロポーズする「ブーケトスプロポーズ」までもが登場しています。ところが、新郎新婦が主役という結婚式の“常識”を覆すようなサプライズには、SNSなどで賛否が噴出しています。結婚式に見られる演出の変化について、ウェディングプランナーの岡村奈奈さんに聞きました。 【写真】「一度はドレスを着て写真を残したい」という思いをかなえるソロウェディング ブーケトスプロポーズとは、「新婦の放り投げたブーケを受け取った女性が次に結婚できる」という言い伝えにちなんで、新郎新婦が自分たちの結婚式を使って、親友やきょうだいにプロポーズの場をお膳立てする演出。実際は、新婦がブーケを放り投げずに、あらかじめ決めていた女性に手渡します。ブーケを受け取る女性には、プロポーズされる展開が待っていることは知らされず、新郎新婦と女性の交際相手の男性が内緒で計画するサプライズです。 海外から火が付いたと言われるこのサプライズは、ここ最近、日本でも行われるようになり、その様子がSNSの動画で広まりました。ある動画に映し出されていたのは、女性がブーケを受け取ったのを合図に、現われた彼氏が女性の前にひざまずいて「指輪パッカーン」で結婚を申し込むという急展開。戸惑いながら女性が指輪を受け取ると、その場に居合わせたゲストから歓声が上がり、会場が一気に盛り上がります。 このブーケトスプロポーズを巡っては、「結婚式でプロポーズなんて、新郎新婦の心の広さに感動」「幸せの場で幸せが生まれる素敵なサプライズ」「幸せの連鎖って感じでいいよね」などの好意的な見方がある一方で、「人の結婚式でやるのはダメだろ」「プロポーズのインパクトが強すぎる」といった否定的な意見も少なくありません。別のカップルに注目が集まるため、「結婚式の主役は新郎新婦なのに……」と疑問を抱く人も。 結婚式の演出について、ウェディングプランナーの岡村奈奈さんは、「結婚式に付きもののサプライズの演出は、仕掛ける側の『喜んでもらえるはず』という思い込みが強すぎてトラブルを招くこともあります。安易に行うのは危険」と忠告します。トラブルにつながるサプライズには、次のような例があるそうです。 ▽結婚式で泣きたくないという新婦が、涙を誘う定番の「花嫁の手紙」を取りやめたにもかかわらず、新郎が新婦を泣かせようとサプライズを計画 ▽コテコテの定番演出を嫌う新郎新婦の結婚式で、ゲストが結婚ソングを熱唱するサプライズ ▽サプライズを仕掛けられた新婦が感動したものの、その喜びを表現するリアクションがうまくできなかったと落ち込んでしまう ▽長い準備期間をかけて詰め込んだ2時間半のプログラムに、意図しないサプライズを加えられ、すべて台無しになったと不満を抱く