「学校は友だちができなくても当然の場所」ヒャダインさんが学校生活に悩む子どもたちに伝えたいこと #今つらいあなたへ
学生時代の薄暗い経験は、しんどい人に寄り添う歌詞の原動力に
――いじめを受けた小学生時代から、中学生、高校生までを色で表すと何色になりますか。 ヒャダイン: 小学校低学年は赤や黄色のビビッドな色かもしれないですね。高学年になって、いじめや受験もあって、だんだん青みがかったグレーになってきた。中高時代は、真っ黒でもなくて、薄いグレーがずっと続いている感じでしたね。ずっと曇天というか。 中高時代は、地球で自分が独りぼっちだと思う瞬間がめちゃくちゃ多かったんですよね。もちろんこじらせている部分もあったので、独りぼっちでいることがかっこいいと思うような部分もありましたが、それ以上に「この砂漠のなかで1人でいて、なんて喉が渇くんだろう」という気持ちがすごくあったと思います。 ――「曇天」だった学生時代の経験が、今のヒャダインさんにどうつながっていますか? ヒャダイン: 中高が楽しくなかった分、その後の人生で取り戻そうという気持ちはとても大きいです。僕はこれを「青春ゾンビ」と言っているんですけど。 10代のグレーな経験、モヤモヤしていた経験が自分の創作にも大きな影響を与えていると思います。僕はパリピ的な歌詞は作れないですけど、しんどい人に寄り添って、ファンのほうにいるというか。強くないほうの目線で歌詞を書くことが自分にはできるんじゃないかと。 学生時代に1軍だった人に大人になってから会って、「当時、1軍側の人だったでしょ?」と聞くと、彼らは決まって「クラスの中にそんなヒエラルキーなんてないよ」って言うんです。本当はヒエラルキーはあるのに、上にいたら下が見えなくなる。下の人たちは上に憧れと憎しみを持っているんだけど、上の人たちは自分たちは楽しいから、下の人たちのことなんて全く見えていないんですよね。僕ももちろん100%はわからないにしても、少しは理解できる経験をしてきたと思っているので、その気持ちはなるべく歌詞に反映するようにしています。