二階幹事長の東京五輪「中止選択肢」発言が世界に波紋
自民党の二階俊博幹事長が15日、TBSのCS番組「国会トークフロントライン」の収録で新型コロナウイルスの影響で開催が懸念されている東京五輪について「これ以上とても無理ということであれば、スパっとやめなければいけない」と語り、中止の選択肢があることを示唆した問題が世界中に波紋を広げた。二階幹事長は、その後文書で「何が何でも開催するのかと問われれば、それは違うという意味で申し上げた」などと発言について釈明したが、“後の祭り“で海外メディアは、政府与党の実力者が「中止の可能性」を示唆した問題について過敏に反応した。 米ワシントンポスト紙は「(新型コロナ)ウイルスのために五輪が中止されるかもしれないと、日本の与党大物が認める」との見出しを取り、「この発言は、日本で新型コロナウイルスの感染状況が悪化、大会開催の困難さがますます明白となる一方で、与党が中止や延期を熟慮していることが初めて公に明かされたものとなった」と伝えた。 記事は、二階幹事長について「与党第二の幹部で菅義偉首相の有力な支持者でもある」と紹介。 その上で「日本は水曜日に4000人以上の新型コロナウイルスの新規感染者を記録し、1月後半以来最多となり、感染の第4波を食い止めるために苦闘している。感染力の強いウイルスの変異株が、東京や大阪で広まっており、全体の80%以上となっている。医療専門家は、今、パンデミック拡大への対処、計画されているワクチン接種展開の指揮、1年で最も暑い時期におけるアスリート、コーチ、関係者や観客の体調管理といった3つの困難に直面している」と開催に向けての問題点を指摘した。 英ガーディアン紙は「日本の政治家トップが東京五輪の中止が『選択肢として残されている』と語る」との見出しを取って二階幹事長の発言を伝えた。 記事は「二階氏は、五輪を中止すべきと要求してはいない。だが、日本政府、東京2020の組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)のすべての主張が“延期されている大会が7月23日に予定通り始まるだろう“で一致している中で、彼の発言は食い違っている」と注視。 「パンデミックは世界のいくつもの地域で衰える気配を見せておらず、日本の専門家たちもウイルスの変異株が活発化して新型コロナウイルス感染の第4波に入ったと警告している」と現状の日本での感染状況を伝えた。