正智深谷、立教新座に2-0快勝で2大会連続の準決勝進出
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選第4日は6月9日、準々決勝4試合が行われ6月12日の準決勝(NACK5スタジアム)は昌平vs浦和学院、正智深谷vs西武台の顔合わせとなった。 【フォトギャラリー】正智深谷 vs 立教新座 関東高校大会予選を制し、3年ぶり2度目の優勝を目指す正智深谷は、同予選ベスト8の立教新座に2-0で快勝。2年連続8度目の準決勝に進んだ。 前半は正智深谷が押し気味に進めた内容だったが、互いに相手の守りに風穴を開ける崩しの形には持っていけなかった。 正智深谷は前半16分、右2列目の赤川空音(3年)の強烈なシュートが相手DFの手に当たり、ハンドの反則からPKを獲得。まずCB佐藤飛友(3年)のキックは成功したが、チームメートの飛び出しが早かったことでやり直しとなる。今度はMF近藤七音(3年)にキッカーを代えて蹴り直したが、相手GK小野寺健太(2年)に止められ、先制の絶好機を逃してしまった。 立教新座は攻撃の重鎮、主将のMF粟屋大智(3年)が中盤と前線を精力的に動き回り、相手守備陣の恐怖となった。 前半18分、ボランチ森岡怜央(2年)が強烈なミドルシュートを放ち、29分は粟屋が左サイドを突破してゴール前に鋭いクロスを配給したが、右ウイング田口翼(2年)の頭にわずかに届かなかった。32分には左ウイング佐々木琥太郎(3年)の左クロスから、粟屋がヘディングシュートしたが、この決定打もバーの上を通過していった。 PKを失敗した後の正智深谷は、34分に左CKから佐藤のヘッド、35分に左2列目の高野大輝(3年)が右足を振り抜いたが、この2度の決定機にも得点できなかった。 しかし決勝ゴールとなった先制点は何とも幸運だった。 37分、立教新座のGKからボールを受けたCBの強いキックが、たまたまFW中島亜漣(3年)の体に当たり、勢いよく弾かれてゴール右隅に転がり込んだのだ。 前半も10本のシュートを記録した正智深谷だが、後半に入るとさらに猛攻を仕掛け、数え切れないほどの得点チャンスを築いて14本ものシュートを放った。 高野が4本、近藤も3本決定的な一撃を打ちながら、枠内を捕らえられないものばかりで、小島時和監督も「1-0ではどうなるか分からないので早くベンチを安心させてもらいたかったが、なかなか決めてくれなかった」と苦笑する。 28、30、34分と立て続けて逸機していたが、後半17分から起用されたMF白岩龍(3年)が37分、ようやくベンチを“安心”させた。 左CKを短くつなぐ戦法に変えた2本目だ。近藤からパスを預かった関東高校大会の優秀選手、左SB鹿倉颯太(3年)が良質なボールを上げると、白岩が得意のヘディングシュートをたたき込んだ。 軽い右ひざの痛みで前日の初戦の3回戦を回避し、この日も大事を取って途中出場。背番号9は「ファーサイドに移動するふりをしてニアで合わせました」と喜ぶと、「次の西武台戦は、自分の力がどこまで通用するか試したい」と謙虚に話した。 後半の立教新座は敵陣深くにまで進出する機会が減り、21分に相手DFのクリアボールを拾ったFW中西栄斗(2年)が、右に外れる惜しいシュートを放っただけ。2失点だが、完敗に近い内容だった。 小島監督が「きのう勝てたのはキーパーのおかげ」と説明したように、埼玉平成との3回戦は初戦敗退の危機でもあった。GKが相手と1対1になる場面が3度もあったが、すべて森穂貴がビッグセーブを連発してチームを救った。 3年生の守護神は「うちのCKからカウンターを浴びた場面は、2度も1対1になりましたが、相手との距離を詰めたりして足でセーブしました。シュートストップは得意です」と笑顔を見せ、「西武台には新人大会1回戦で負けているので、どれだけ差を縮められたかを試し、インターハイに出たいですね」と準決勝を待ちわびていた。 小島監督も「ベスト4は最低限の目標でここまでは勝ちたかった。去年は準決勝で武南に0-3と完敗したが、選手の成長と底上げも見えるので、水曜日は試合を楽しみたい」と遠回しに自信を示した。 (文・写真=河野正)