六大学ベストナイン選出の東京大・大原海輝が浦和高を選んだ理由「21世紀枠で甲子園を狙えるんじゃないかなって」
文武両道の裏側 第20回大原海輝(東京大学野球部)前編(全2回) 東京六大学野球の2024年春季リーグでベストナインに選出された東京大学野球部の大原海輝(3年)。埼玉・浦和高出身で、1浪を経て理科一類に合格し、その後文学部に転部している。どのようにして自身を成長させてきたのか? 文武両道の神髄を直撃する。 <写真>東大球場で直撃インタビュー!六大学ベストナイン選出の大原海輝インタビューカット集 * * * 【2割増しの目標設定で成長】 ーー東京六大学野球ベストナインの受賞、おめでとうございます。自身では今回の受賞理由をどう捉えていますか? 大原海輝(以下同) 僕自身、けっこう大雑把だったりテキトーなところがあるんですけど、自分でやると決めたことをできるところもあるのかなとも思っていて。そうしたなかで、より具体的な目標を定めて練習に臨めたのが大きかったと思います。 ーー具体的な目標というと? 2年生の時には、代打でリーグ戦に出させてもらっていましたが、結果を残すことができませんでした。なので僕の長所であるバッティングを伸ばして、まずはスタメン出場を勝ちとるという目標を定めて、より計画的に練習するようになりました。 ーーどんな練習をしましたか? ありふれたことなんですけど、大きい目標じゃなくて、目標は2割増しのところに設定しました。 具体的には、打撃練習だけでなく、トレーニングもやりながら、その振り返りを毎週、自分のなかでしていました。ビジネスの世界で俗に言う「PDCAサイクル」(※「計画」「実行」「確認」「改善」を繰り返して業務を改善する方法)を意識して練習に取り組んでいたのが、うまくいったのかなと思っています。
【野球により専念するために学部変更】 ーー最近の東大野球部は、大原選手の同級生の酒井捷選手が、昨年の秋季リーグのベストナインに選ばれましたし、レベルアップしている印象です。大原選手から見ると、今の東大野球部はどんな感じですか? もちろん東大野球部のレベルも上がってきているかなと思うんです。けど、それは他の大学にも言えることで、六大学野球全体のレベルが上がっていると思います。 他の大学にはいいピッチャーがいっぱいいるなかで、彼らを打ち崩さないと勝てないわけで。だから東大を基準に考えるというよりは、他の大学を基準に考えて、六大学で通用する選手を、東大は増やしていかなきゃいけない。 ーー「六大学で通用する選手」というのがベストナインになりますよね。 ベストナインがもう当たり前に東大から出てくると、強くなってきていることにつながると思っています。やっぱり、東大のなかでよくやったとかじゃなくて、六大学で通用する野球がしたいという思いが、年々強くなってきていると僕は感じています。 ーー大原選手が文学部へ転部したのは野球と関係がありますか? 理一(理科一類)の時と比べると単位がとりやすい授業を選べるので、その分、野球に専念できると思っています。文転することは、友だちにはあんまり言ってなかったので、今になって「お前、文系で何するの?」って言われたりしてます。 今、文学部の人文学科にいるんですが、文学部のなかでもいろんな文学について学べて、たとえば英米文学とかフランス文学、日本文学とかありますが、それらを総合的に学んでいるところです。