合法化のせいで「違法大麻が蔓延」する皮肉な理由 大麻を合法化したNYでいま何が起きているのか
〈統合失調症などの精神疾患に強く関係しています〉
・大麻の副流煙は有害なのか 〈これまでに入手可能な証拠では、大麻の受動吸煙が健康に悪影響を与える可能性があることを示しています。大麻にはタバコの煙と同じようにタールや発がん性の化学物質が含まれており、健康への懸念が生じます。その他、大麻のエアゾルには有害な化学物質が含まれている可能性もあるので、吸煙する場所には注意し、他の人から離れた場所で吸煙してください〉 ・大麻摂取のリスクにはどのようなものがあるのか。若者の成長に影響を及ぼすか 〈大麻の摂取は医療用途にかかわらず、健康上のリスクが生じる可能性があります。これらのリスクの多くは大麻をいつ摂取するか、摂取する量、及び摂取する大麻の種類によって異なります。大麻に含まれるTHCは行動、気分、思考または認識に影響を与え、酩酊させる可能性があります。大麻は脳の成長に有害であり、大麻に含まれるTHCが発達中の脳に影響を与える可能性があります。意思決定を担当する脳の前頭前野は、最後に発達する部分のひとつであり、特に大麻使用の影響を受けます。若者の脳の発達は25歳になるまで完了しません。若者が大麻を頻繁に摂取すると、うつ病、統合失調などの精神疾患などのリスクが高まります。特に毎日摂取及び幼い頃から始まる摂取は統合失調症などの精神疾患に強く関係しています〉 ・合成大麻(Synthesis marijuana)と大麻の違いとは 〈K2やSpice(※商品名)として知られる合成大麻は、「合成カンナビノイド」と総称される化学物質のひとつで、それらは大麻ではありません。合成カンナビノイドの効果は予測不可能であり、とても危険です〉 これ以外にも大麻常用による“使用障害の兆候”などの情報も積極的に提供しており、その緻密さに驚かされた。では、このような手厚い情報提供まで行うNY州の大麻合法化制度は、当初の目的を達成できているのだろうか。具体的には〈新型コロナの影響で赤字に転落した州の景気対策〉と〈黒人差別の解消〉である。 まず、大麻の少量所持を非犯罪化したことで、マイノリティーに対する逮捕は当然なくなったと思われる。この点では人種差別の解消に繋がったと言えるのかもしれない。