通常仕様に加えて、ヤレまくりな『グラン・ブルー』エンゾ仕様も製作!【達人のプラモ術<フィアット500F>】
前回はボディを塗装したチンクエチェント。第2回となる今回は、インテリアを製作していきます。でもその前に今回は…反響大! ということでチンクエチェント・エンゾ(二度塗り前)仕様も作ります! 【製作工程を画像で見る】 【教えてくれた人】 長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube「モデルアート公式チャンネル」などでもレビューを配信中。
■エンゾのチンクエチェントの反響大!
前回、ファイアット500が登場する映画ということで『ルパン3世・カリオストロの城』『ローマの休日』そして『グラン・ブルー』を紹介したのですが、中でも『グラン・ブルー』の劇中でジャン・レノが演じたイタリア人のフリーダイバー、エンゾ・モリナーリの愛車として登場するボロボロのチンクエチェント(フィアット500の愛称)のインパクトが強烈だったようで(しかもジャン・レノとの相性が最高!)、多くの方から「エンゾの愛車を見たい!」と言う声を多数頂きまして~。 ならば、ということで、キットをストレートに製作した仕様に加えて、ボロボロにいい感じにヤレたチンクエチェント(『グラン・ブルー』エンゾ仕様)を同時に製作することにしました。
■エンゾ仕様・ボロボロボディの製作
劇中のカットを参考にしながら、ドアやボンネット、フェンダー周りのヘコミをモーターツールで削り込んでそれらしく再現。 ボディはグレーサーフェイサーで下地塗装したのち、先に製作中のフィアット500と同様にレーシングホワイトで塗装。劇中では左右のドアのみが、なぜかくすんだ赤色なので、イタリアンレッド7:レッドブラウン3で調色した赤で塗装しています。 ここから、さらにボロボロな雰囲気を再現するため、フラットクリアーでつや消しオーバーコート。乾燥後に上から、タミヤスミ入れ塗料グレーでボディ全体をウォッシング(※1)。さらにブラウンでフェンダー周り等のサビを表現してみました。 今回のようなカーモデルで、スミ入れ塗料によるウォッシングを上手く仕上げるコツは「スミ入れ塗料を攪拌せず上澄みだけを使い、毛質の柔らかい平筆で、汚れの方向を考えながらボディに伸ばしていく」といったところです。やり過ぎたと思ったらエナメル溶剤で拭き取ってやればOKです。 ※ウォッシング 模型に、よりリアル感を持たせるためのウエザリング塗装テクニック。AFV模型でよく使われる。スミ入れ塗料(薄めたエナメル塗料)を模型全体に塗布、綿棒等で拭き取ることで、汚れや雨ダレ、サビといった質感を再現できる。下地の塗料はラッカー系塗料が前提となる。