なぜ就職ランキング上位の人材コンサルは倒産したのか…「消える企業」と「生き残る企業」の決定的違い
■企業が生き残っていくための三原則 こういった過ちを防ぐために、過去の偉人たちは大切な教訓を残してくれています。 日本に資本主義を持ち込んだ渋沢栄一は著書『論語と算盤』を残し、「経営には算盤(お金)だけでなく、論語(理念)が必要である」と戒めています。 また、出光興産(株)創業者の出光佐三は「黄金の奴隷たるなかれ」「人間尊重」の理念を掲げ、出光の事業は金儲けのためではない、尊重される人間になるためだと社員へ浸透させてきました。 石油自由化の中で多くの石油会社が倒産する中、財務的にはまだまだ脆弱だった出光興産が生き残り、100年企業となれたのは「理念」があったからと言っても言い過ぎではありません。 整理しますと、消える企業には ① 成長への幻想と不安定なビジネスモデル ② 危機に対応できない財務体質 ③ 理念なき経営 といった共通点があります。 冒頭にお話ししたように失敗には再現性があります。上記の点を踏襲してしまうと失敗する確率を高めてしまいますので十分気を付けてください。 逆を言えば、 ・成長への幻想を抱かず、リピーター獲得に注力し、収益を安定させる ・危機が起きても動じない財務体質を作り上げる ・理念を持ち、理念を浸透させ、求心力のある組織を作る この3点を行っていけば生き残っていける企業になっていけます。 ---------- 石原 尚幸(いしはら・なおゆき) 経営コンサルタント、プレジデンツビジョン社長 1973年、愛知県生まれ。上智大学経済学部経営学科卒業後、出光興産に入社。2008年、34歳の時に独立起業。2012年法人化し、プレジデンツビジョンを設立。経営者・士業、120社のコミュニティ「五つ星★メンバーシップ」を主宰。「東洋経済ONLINE」、『月刊ガソリンスタンド』などメディア出演多数。著書に『社長! お金は「ここだけ」押さえれば会社は潰れない 2枚のシートで利益とキャッシュを確実に残す!』(ダイヤモンド社)、『父が子に伝える 13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方』(三笠書房)がある。 ----------
経営コンサルタント、プレジデンツビジョン社長 石原 尚幸