「うまく言語化できない」瞬時に解決、すごいコツ 「説明下手すぎ問題」の原因は、“型”の意識不足
■「組み立てる」とはどういうことか まず必要なのは、「話を組み立てる」とはどういうことかを(まさに)言語化することでしょう。そこで組み立てるという表現はどんなときに使うかを考えてみます。 たとえば、「プラモデルを組み立てる」という表現。子どもの頃、プラモデルが大好きだった私はこの表現が真っ先に浮かびました。おそらくあなたもこれまでの人生の中で、おもちゃを組み立てた経験があるでしょう。 ここで重要な事実があります。プラモデルとは、組み立てる前はバラバラの部品の状態になっているということです。その部品を接合していくことでプラモデルは完成します。いま私は当たり前のことを申し上げているのかもしれません。しかし、これが「組み立てる」という行為の本質です。
では、「組み立てて話す」とはどういうことでしょうか。プラモデルと同じように、バラバラの部品を接続していくことです。これをあえて数学的な表現にするとこのようになります。 (組み立てる)=(部品)×(接続) すなわち、このような表現が誕生します。 (話を組み立てる)=(話の部品)×(接続詞) 組み立てられた話とは、いくつかの部品が接続詞でつながった状態を指すのです。冒頭でご紹介した入社1年目のご意見を信じるなら、先輩社員の説明には以下の問題点があるということになります。
①いくつの部品で構成された話なのかがわからない ②部品どうしの接続がされていない ③接続されているとしても、その接続が正しくない ではこのような問題をどう解決したらいいのか。ビジネス数学の立場から研究した結果をご紹介することにします。 ビジネスにおいて、言語化して説明するために必要な要素は「前提」「主張」「根拠」の3つしかありません。つまり部品は3つしかないのです。そしてその3つを次のような接続詞で関連づけます。
前提 →(では)→ 主張 →(なぜなら)→ 根拠 私は「必要な要素は3つしかない」と断言しました。かなり強い(大胆な)主張といえます。しかし端的であることを求められるビジネスコミュニケーションにおいては、この3つだけで必ず成立します。換言すれば、この3つ以外のものを用意しようとするのは無駄な行為です。 例として、今回の私の主張を言語化してみます。 前提として、「もう少し話を組み立てて説明してほしい」と感じている入社1年目の社員がたくさんいます。そこで今から、話を組み立てるとはどういうことかを言語化します。