「血糖値が高い」と気にしている人の重大な盲点 「血糖値の安定」こそが重要な理由
ご存じのように赤血球は全身に酸素を運ぶ重要な働きをしています。赤血球が働けない状態になったら生命の危機です。血糖値の低下に対して様々なホルモンが分泌されるのは、そうした事態を避けるためなのです。 ■血糖を安定させるには 私たちは高血糖ばかりを気にするのではなく、血糖を安定させ、血糖値の急激な低下を避けることにも気を配る必要があるのです。 筋肉がしっかり付いている方の場合は、タンパク質をブドウ糖に変換すること(糖新生)によって血糖値が維持されるのですが、そうでない方の場合は、食事のとり方を工夫することで、血糖値の安定を図りましょう。
血糖値を安定させる工夫は、血糖値が下がる前に糖質を含む「補食」を食べることです。 誰にでもおすすめできるのは「小さめのおにぎり」です。他にもバナナなどの果物や、スープなどもよいでしょう。 ポイントは2つあり、ひとつは糖質を一気に食べすぎないこと。糖質を摂り過ぎると血糖値が急上昇してしまいます。すると、すでにお伝えしたようにインスリンが多量に分泌され、血糖値が急激に低下してしまいます。「食後、居眠りをしてしまう」「ランチの後、眠くなって仕事にならない」「夕方イライラしてしまう」という人は血糖値の乱高下が起きている可能性があります。
もうひとつのポイントは「補食はお腹が空く前」に食べることです。お腹が空いたと感じたときはすでに血糖値が下がった状態です。そうなる前に食べることで血糖値を安定させることができるのです。お腹が空く前に食べれば、補食は少量で満足できます。 もしご自分に「ランチ前や夕方にイライラして怒りっぽくなる」「血糖値の乱高下が起こっている気がする」という自覚がある方はぜひ「補食」を試してみてください。 ■「安易な糖質制限」が引き起こす恐ろしいこと
少し前に糖質の摂取を抑える「糖質制限(糖質オフ)ダイエット」がもてはやされました。今現在も実行されている方がいらっしゃるかもしれません。一概に糖質制限がよくないとは言えませんが、糖質制限が合う方と合わない方がいることは知っておいてください。 すでに述べたように私たちの全身の細胞の主なエネルギー源は血液中のブドウ糖です。血糖値が維持できないと、エネルギーが生産できなくなってしまうため、体は次なる策として脂質をエネルギーに変えます。体内の脂質(体脂肪)を血液で運んで体の各組織に取り込み、細胞内でエネルギーを作るのです。