【インタビュー/前編】高畑淳子さんの肌にハリを与える秘密兵器とは?
作品の中で歌っているのは、『愛の讃歌』。 実はこの歌には高畑さん、因縁がある。舞台『越路吹雪物語』(2006~2008年)で越路さんのマネジャーであり、『愛の讃歌』の日本版の歌詞を作詞した岩谷時子さん役を演じ、絶賛されているのだ。 「当時、岩谷先生は『この大女が自分を演じるのか』って、心配になったんでしょうね。帝国ホテルのティールームに呼ばれて、8時間お茶したんです。きっと『言うべきことは言うとかんとあかん』と思ったんでしょうね。 何から何までいろいろお話をしてくださいました。そのとき岩谷さんをじっくり観察できたおかげで、演じるのが楽しくなりました。 舞台上の私が『本物の岩谷さんそっくりに見えた』って、たくさんの方にお褒めいただいたんですよ(笑)」 と、それはともかく。本作では70代にしてようやく自分が抱えていた夢を実現するヒロインの姿に、思わず拍手喝采。 「もしかしたら私も、このヒロインと同じような人生だったかもしれないって思います。生まれ育ったのは田舎だったので、生の舞台も見たことがなくて。母が映画好きだったくらいで、こういう芸能の世界とはまったく無縁なところで成長したんです。 母には『学校の先生になりなさい』って言われてました。でも大学に進学するときに思い切って演劇を学べる学校に飛び込んだおかげで、今こうしているんですけどね」 大学を卒業後、劇団青年座に入団したものの、なかなかスポットライトが当たらなかった20代。30代に入る頃から舞台女優としてじわじわと評価が高まり、40代でTVドラマに進出し、50代からは大ブレイク。 そのブレイク前夜に更年期が重なり、大変だったという話は後編でじっくり。お楽しみに!
『お終活 再春! 人生ラプソディ』 21年に公開された『お終活 熟春! 人生、百年時代の過ごし方』の続編。前作に出演した橋爪功、剛力彩芽、松下由樹に加え、長塚京三、鳳稀かなめ、藤原紀香(友情出演)、大村崑など豪華キャストが競演。すれ違いばかりの熟年夫婦、親子の葛藤や介護の現実などなど、身につまされるエピソードがいっぱい。でも、かつての夢にチャレンジするなら、今! これからの人生を楽しむことも、ひとつの「終活」だと教えてくれます。