秋の昇進で「係長」に! 中小企業勤務の39歳で「本給29万円」は妥当ですか?「大企業勤務」の場合とも比較
秋といえば、春とともに昇給の時期です。年次や経験年数、企業規模によって昇給率は変わるものですが、非役職者にとって「係長」はやっと手に入れた初の役職となることが多いことでしょう。大幅な昇給に期待してしまうのも無理はありません。 本記事では、39歳で係長となった場合の「本給29万円」が妥当なのか、統計をもとに調査します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
係長クラスの給料は?
39歳で係長となった人は、係長の中では若いほうだといえます。厚生労働省が2023年に実施した「賃金構造基本統計調査」によれば、係長級の平均年齢は男性45.5歳、女性45.4歳です。図表1に、役職別の賃金をまとめました。 図表1
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 役職別より筆者作成
「本給29万円」は妥当なの?
係長級の賃金は、男女間の平均で37万800円です。本給29万円とは大きく離れているように感じますが、統計の賃金には各種手当が含まれています。 【調査の時期】 ●当年6月に支給された現金給与(所得税、社会保険料などを控除する前の額) ●賞与、期末手当等特別給与額については調査前年1年間 【調査の結果】 賃金には次の現金給与額が含まれています。 ●基本給 ●職務手当 ●精皆勤手当 ●通勤手当 ●家族手当 ●超過労働給与額 【賃金に含まれないもの】 賃金に含むのは現金給与のみであり、現物給与(食事補助、通勤定期券、制服など)は含んでいません。 つまり、厚生労働省の調査結果にはだいたいの「本給、各種手当、残業代」が含まれているのです。ただし、各種手当がいくらかまでは分かりません。
企業規模で賃金はどれだけ変わる?
中小企業と大企業では、役職に対する賃金差がどれほどあるのでしょうか? 図表1において係長級の平均年齢が約45歳だったので、図表2の「企業規模別・年齢階級別」に当てはめてみましょう。 なお、企業規模は、常用労働者の数で定義されています。 ●大企業:1000人以上 ●中企業:100~999人 ●小企業:10~99人 図表2